草の根・人間の安全保障無償資金協力「比消防局対する緊急車両整備計画」引渡記念式典

平成29年5月23日
     

     


5月17日、ネグロス・オキシデンタル州シパライ市において、草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された比消防局に対する緊急車両整備計画(注1)のうち、2015年度「ビサヤ地方11市町に対する緊急車両整備計画」の引渡記念式典が開催され、渡邉卓弘書記官が出席しました。同式典には、バルエロ比消防局長を始めとして、トラヘラス・ネグロス地域管轄消防局長、メルセデス・アルバレス下院議員(ネグロス・オキシデンタル州第6区)、車両供与先の6市町長及び消防隊員などが出席しました。 
 
ビサヤ地方は、自然災害や火災などの緊急事態に頻繁に晒されています。過去には、強大な台風、大規模な地震および火災によって、多くの人命が失われ、インフラが破壊され、人々の生活は甚大な被害を受けました。このような状況において、比消防局は防災の最前線で活動していますが、消防局の保有する緊急車両は不足しており、緊急車両の整備が喫緊の課題となっていました。
 
このような状況を受け、当館は、比消防局の救助・消火活動の強化を目的として、過去3年間、消防局に対し日本の中古緊急車両を整備する事業を実施してきました。今回、この事業の一環として、ビサヤ地方ネグロスオキシデンタル州においては、カバンカラン町、カワヤン町、カンドニ町、イロッグ町、ヒノバアン町、シパライ市に対し、計9台の緊急車両を供与しました。本事業により、比消防局の緊急事態に対する諸活動が強化されることが期待されています。
 
なお、草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは、1989年から現在に至るまでの間に、計525件の事業を実施いたしました。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来より積極的に取り組んできており、本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップの強化に寄与するものです。  
 
(注1)緊急車両整備計画は草の根・人間安全保障無償資金協力事業の一環として実施されています。
【2014年度】
1. 案 件 名: 台風ヨランダ被災地向け緊急車両整備計画
2.供与金額: 202,760米ドル
3.供与台数: 20台(消防車17台、救急車3台)
4. 配 布 先: ビサヤ地方(17市町)
 
【2015年度】
1. 案 件 名: ビサヤ地方11市町に対する緊急車両整備計画
2.供与金額: 240,572米ドル
3.供与台数: 17台(消防車9台、救急車7台、レスキュー車1台)
4. 配 布 先: ビサヤ地方(11市町)     
 
【2016年度】 
1. 案 件 名: ミンダナオ地方15市町に対する緊急車両整備計画
2.供与金額: 250,247米ドル
3.供与台数: 17台(救急車14台、消防車2台、レスキュー車1台)
4. 配 布 先: ミンダナオ地方(15市町)