平成29年度草の根・人間の安全保障無償資金協力合同贈与契約署名式(5件)

平成29年12月18日
 
12月13日,羽田浩二駐フィリピン大使は,在フィリピン日本国大使館において,今年度の草の根・人間の安全保障無償資金協力5案件について,各被供与団体との間で贈与契約に署名しました。署名式には,教育省セビーリャ次官及び関係者が出席しました。

今回署名が行なわれた5案件の総額は,477,444米ドル(約5,200万円)であり,小学校4校、中学校1校において,合計22教室及び黒板や机などの備品が整備されます。

1.ダバオ市カタルナン・グランデ小学校における教室整備計画
      ・被供与団体:フィラム財団
      ・資金供与額:106,135米ドル

本件事業では,貧困地区に位置するカタルナン・グランデ小学校において,老朽化し安全性に問題のある校舎を解体し,新たに1校舎を建設し,備品を整備します。同校に通うおよそ350名の児童と教員が裨益し,将来を担う子供たちに安全で適切な学習環境が提供されます。
 
     


2.レイテ州オルモック市バゴンブハイ小学校における教室整備計画
     ・被供与団体:NGOイスラエイド・フィリピン
     ・資金供与額:48,556米ドル

本件事業では,2013年に大型台風の被害を受けたバゴンブハイ小学校において,老朽化した仮設教室1教室を解体し,1校舎2教室を建設し,備品を整備します。同校に通うおよそ70名の児童と教員が裨益し,将来を担う子供たちの適切な学習環境の確保が期待されます。
 
    
      

3.ボホール州タリボン町サントニーニョ中等学校における教室整備計画
    ・被供与団体:タリボン町
    ・資金供与額:80,108米ドル

本件事業では,サントニーニョ中等学校において,新教育制度(K to 12)に基づく中等教育期間6年を確保するため,1校舎4教室を建設し,備品を整備します。同校において,新教育制度で追加された2学年の教室を開設できるようになり,新たに計160名の生徒を受け入れられるようになることから,タリボン町の中等学校における生徒の過密が緩和され,同町の教育サービスの向上が期待されます。

    
      

4.ネグロス州イロッグ町フリアン・ピー・ゴミーリャ小学校における教室整備計画
     ・被供与団体:イロッグ町
     ・資金供与額:77,753米ドル

本件事業では,洪水が起こりやすいイロッグ町に位置するフリアン・ピ・ゴミーリャ学校において,老朽化した教室を解体し,一時避難所としても機能する1校舎を建設します。同校に通うおよそ100名の児童と教員に対して,安全で適切な学習環境が提供されます。また,学校周辺に住む住民約20家族が災害時に避難所として利用することから,同地域の防災サービスの向上が期待されます。
 
           


5.スリガオ市ボニファシオ小学校における教室整備計画
     ・被供与団体:スリガオ市
     ・資金供与額:156,892米ドル

本件事業では,2017年2月のスリガオ地震で被害を受けたボニファシオ小学校において,倒壊の危険がある校舎を解体し,新たに1校舎6教室を建設します。同校に通うおよそ350名の児童及び教員に対して,安全で適切な学習環境が提供されるとともに,スリガオ市の地震からの早期復興が期待されます。


           



草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり,フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に,計530件の事業を実施しています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来より積極的に取り組んでおり,本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。