草の根・人間の安全保障無償資金協力「パラニャーケ市における障がい児のための理学療法施設整備計画」引渡式典
平成30年8月14日




8月7 日,パラニャーケ市において,草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「パラニャーケ市における障がい児のための理学療法施設整備計画」の引渡式が開催され,当館より岡田二等書記官が出席しました。同式典にはまた,被供与団体であるステッピングストーン特殊教育センター財団会長セギスムンド・ゴンザーレス氏,同財団事務局長ダヤル・ナンドワニ氏,及びマカティ市ロータリークラブ会員が出席しました。
フィリピンでは,相当数の障がいをもつ子どもたちがいると考えられていますが,彼らに対する特殊教育やリハビリテーションを行う公共施設は限られています。ステッピングストーン特殊教育センター財団は,主に貧困家庭の障がい者の自立支援を目的として,パラニャーケ市の障がいをもつ子どもたちを対象に,特殊教育やリハビリテーションプログラムを提供してきました。しかし,被供与団体の所有するリハビリテーション施設は理学療法施設を整備できておらず,本施設に通う子どもたちに対し,十分なリハビリテーション環境を整えることができていませんでした。
本問題の解決に取り組むために,本事業では44,970米ドル(およそ540万円)を供与し,新たに理学療法室及び・関連リハビリテーション機材を整備しました。本事業を通じて,およそパラニャーケ市及びその近郊地域の1,200名の障がいをもつ子どもたちの理学療法を受けるための環境が改善されます。
草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり,我が国はフィリピンのトップドナーとして,1989年から現在に至るまでの間に,計534件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり,本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。