草の根・人間の安全保障無償資金協力「南ザンボアンガ州における小規模米農家のための輸送用車両整備計画」及び「ヴィンセンゾ・サグン市における市立診療所外来棟整備計画」引渡式

2018/9/6
  

8 月29日,ミンダナオ島南ザンボアンガ州パガディアン市において,草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「南ザンボアンガ州における小規模米農家のための輸送用車両整備計画」及び「ヴィンセンゾ・サグン市における市立診療所外来棟整備計画」の合同引渡式が開催され,当館より森一等書記官,岡田二等書記官が出席しました。同式典には,農業省ザンボアンガ地域センター長カルリト・ラルビス氏,ラバンガン農家第一連合多目的協同組合理事長エルネスト・ジャパナガ氏,ヴィンセンゾ・サグン町長メルリタ・マアタ氏,及び保健省ザンボアンガ州事務所所長アグネス・フェルナンド氏が出席しました。

1. 「南ザンボアンガ州における小規模米農家のための輸送用車両整備計画」

  

南ザンボアンガ州ラバンガン町は,コメを主要作物としており,住民の多くがコメ農家として生計を立てています。しかし,農家の多くは収穫後の輸送手段を持っておらず,仲介業者に高いコストを払って輸送を代行させるしかない状況にあり,輸送コストが農家の生計を逼迫していました。農作物を保管する倉庫や収穫後処理のための施設,そして米を売る市場へ輸送する際にいかにコストを抑えて輸送できるかが大きな課題となっていました。本事業は,J-BIRD(注)の一環として,農産物輸送用のトラック(12t)1台を整備するものであり,ラバンガン農家第一連合多目的協同組合に対して,97,619米ドル(およそ1,100万円)を供与しました。本事業を通じて,同組合の1,361名の農家及び近隣の農家の生計向上に大きく寄与します。

2. 「ヴィンセンゾ・サグン市における市立診療所外来棟整備計画」

  

ヴィンセンゾ・サグン市では、診療費を払う余裕のない家庭の多くが,同市立診療所による無料の診療サービスに頼っています。同診療所では,妊婦検診や結核,らい病などの治療,臨床検査など,基本的かつ必要不可欠な医療サービスが提供されてきました。しかし,外来患者数の増加により,同診療所は手狭になり,全ての外来患者に対応できていない状態が続いていました。本事業は,J-BIRDの一環として, 新たに外来診療所1棟及び診察・治療器具類などの医療機器を整備するものであり,同市に対して94,748米ドル(およそ910万円)を供与しました。本事業を通じて,同市の21,139名の住民に引き続き基本的な医療サービスを提供することができます。

草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり,我が国はフィリピンのトップドナーとして,1989年から現在に至るまでの間に,計534件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり,本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。


注)我が国は、2006年よりミンダナオ和平支援案件をJ-BIRD (Japan-Bangsamoro Initiative for Reconstruction and Development)と総称し、紛争影響地域に対する草の根・人間の安全保障無償資金協力など経済協力プロジェクトを集中的に実施しており、その総額はこれまで2億ドル以上になります。2015年6月には、アキノ前大統領の国賓訪日の際の日比首脳会談において、安倍総理大臣は、ミンダナオの永続的な和平について、フィリピンの取組への支持を表明するとともに、我が国は新自治政府設立を念頭にJ-BIRDIIの支援を進める旨述べました。J-BIRDIIとは、バンサモロ地域の経済的自立の確保に一層焦点を当ててJ-BIRDを新たなフェーズで進めるものです。