平成30年 秋の外国人叙勲

11月3日,日本政府は,平成30年秋の外国人叙勲の受章者を発表しました。フィリピンにつきましては,フェリシアーノ・L・トレス氏に旭日中綬章が,アントニナ・B・オオシタ・エスコビリャ氏に旭日小綬章が,マノリト・M・サラパレ氏に瑞宝単光章がそれぞれ授与されることになりました。

フェリシアーノ・トレス氏は,矢崎総業との合弁会社であるヤザキ・トレス社創業以降,フィリピンにおいて40年以上にわたり多くの雇用を生みながら,自動車部品(ワイヤーハーネス)を製造・輸出し,日本経済及び日本経済を牽引する自動産業に多大な貢献をされています。日頃のビジネスにおいては,御自身の日本での滞在経験を通じて得た日本人の規律,礼儀正しさを同社の指針に反映させることで,従業員に対して積極的に日本の習慣を学ばせています。
平成10年にはトレス氏は比日経済委員会委員長に就任しました。フィリピン側の議長として同委員会を企画・運営し,比日間の貿易・投資等の議論を通じ,経済関係の強化に向けた活動に貢献されました。
また,トレス氏はフィリピンにおけるビジネス活動及び日本との経済活動の経験等を踏まえ,当時,交渉が難航していた日比経済連携協定(JPEPA)について,自由貿易体制下においてフィリピンは日本と積極的に連携・協力すべきという考えから,ポジション・ペーパー作成を主導しました。フィリピン国内の検討に際し積極的に議論をリードし,フィリピン国内自動車業界の意見を集約し,JPEPA締結に多大な貢献をされました。
このような日本企業との協業におけるビジネス活動や日比間の経済関係の促進に対する貢献が評価され,日本政府からトレス氏に旭日中綬章が授与されることになりました。

アントニナ・B・オオシタ・エスコビリャ元判事は,日系2世として戦後期,迫害を受けていた他の日系フィリピン人を救済するフィリピン日系人会に参加しました。エスコビリャ氏は,同会の法律顧問的存在として,同会会員の心のケアを行うとともに,日系人の先祖が所有した土地の所有権の調査,日本人の父親のルーツの調査(日本の就籍支援)に取り組みました。また,日系人子女の教育環境の整備といった分野に特に力を注ぎ,日系人としてのアイデンティティーの確立や,日系人の地位向上に大いなる貢献を果たしました。2011年以降は同会の会長として,多くの日系フィリピン人を支え続けており,日系人のみならず,多くのフィリピン人から厚い信頼を集めています。
このように,フィリピンにおける日系人社会の教育環境の整備を含む地位向上及び日本・フィリピン間の相互理解の促進に寄与したことが評価され,日本政府からアントニナ・B・オオシタ・エスコビリャ氏に対し,旭日小授章が授与されることになりました。

マノリト・M・サラパレ(Manolito M. Salapare)氏は,在フィリピン日本国大使館の現地職員として長年の献身的な勤務が評価され、日本政府から瑞宝単光章が授与されることになりました。