日本とフィリピンが35億6000万円規模の支援に係る交換公文に署名(ミンダナオ支援及び鉄道シミュレーターの供与)

2019/2/21
 


1. 21日,大阪において,第7回日比経済協力合同委員会の場で,羽田浩二駐フィリピン大使とホセ・ラウレル五世駐日フィリピン大使が総額35億6000万円に及ぶ交換公文3件(ミンダナオ支援に係る交換公文2件及び鉄道シュミレーターの無償供与に係る交換公文1件)に署名しました。交換公文の署名には,日本側からは和泉総理補佐官,比側からはドミンゲス財務大臣ほか7名の閣僚が立ち会いました。各支援の概要は以下のとおりです。

2. ミンダナオの平和と開発のための追加支援(2件)【計23億6000万円】

(1)「バンサモロ地域社会経済インフラ緊急整備計画」【18億円】

本協力では,マラウィ市に所在するTESDA職業訓練センターの再建を行うとともに,バンサモロ地域に所在する他の2つのTESDA職業訓練センター(バシラン,スルタンクダラット)に対する職業訓練用の機材供与等を行う予定です。これにより,元兵士を含む地元住民が産業ニーズに応じた職業的能力を身につけることが期待されます。また,新バンサモロ自治政府の公共サービスの質の向上や社会の安定化への貢献が期待されます。

(2)無償資金協力「上水供給用機材の整備による安全な飲料水へのアクセス改善支援(経済社会開発計画)」【5億6000万円】

この計画において,バンサモロ地域に対して日本製の上水供給用機材(井戸掘削機,地下水探査機)を供与することにより,バンサモロ地域の住民の安全な飲料水へのアクセス改善を図るとともに,新バンサモロ自治政府の公共サービスの質の向上や,当該地域の社会の安定化に寄与することを目的としています。

(3)日本のミンダナオ支援

日本は,2006年にJ-BIRD (Japan-Bangsamoro Initiatives for the Reconstruction and Development) を立ち上げて以降,800を超える学校や診療所等のコミュニティ・インフラを含め,総額260億円規模の開発支援をバンサモロ地域に対して集中的に実施してきました。今回の新規支援は,バンサモロ基本法の成立や住民投票の成功等,ミンダナオ和平プロセスが重要な局面にあることを踏まえ,和平プロセスの成功を力強く支援すべく決定されたものです。

日本は,本年2月10日に220億円規模のミンダナオ道路ネットワーク整備のための交換公文に署名したほか,近日中に国際機関経由でバンサモロ地域の上水環境の整備や農業分野の職業訓練のため5億円規模の無償資金協力を正式に決定予定で,ミンダナオの平和と開発のための新規支援総額は250億円規模となる予定です。

3. 鉄道訓練学校に対する鉄道シュミレーター機材の供与(1件)

(1)「鉄道訓練機材の整備による鉄道事業サービスの質の改善支援(経済社会開発計画)」【12億円】

マニラ首都圏では,渋滞の緩和のため,マニラ首都圏地下鉄事業及び総延長約150kmに及ぶクラークからラグナ州カランバまでの南北通勤鉄道線の整備が進められており,我が国は,円借款等を通じてフィリピン政府を支援しています。また,これらの路線が,質の高いインフラとして長期にわたり機能を発揮するには,適切な運営・維持管理を担う人材の養成が不可欠であるとの観点から,同政府による鉄道訓練センターの設置についても,技術協力等を実施しているところです。

今回署名された無償資金協力は,同センターに対し,我が国で製造された鉄道シュミレーター等の機材を供与することにより,年間約1,800人規模の人材の育成を図るとともに,安全かつ安定した鉄道運営を通じ,同国の経済社会開発に寄与することを目的としています。

4.  これらは,2017年1月の日・フィリピン首脳会談で安倍総理大臣から表明した,今後5年間で行われる予定のODA及び民間投資を含めた1兆円規模の支援の一環であるとともに,同年10月に日・フィリピン首脳会談の場で発表した「日フィリピン共同声明」の具体化の一つです。