草の根・人間の安全保障無償資金協力「サンボアンガ市医療センターに対する移動診療車整備計画」引渡式

2019/4/26

4月25日,ミンダナオ島サンボアンガ・デル・スール州サンボアンガ市において,草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「サンボアンガ市医療センターに対する移動診療車整備計画」の合同引渡式が開催され,当館より伊従経済公使,小林二等書記官,ダバオ総領事館より三輪総領事が出席しました。同式典には,保健省サンボアンガ地域事務所副所長ジョシュア・ブリリアンテス,サンボアンガ市地域医療センター長ニダ・カスコ・タン及び同医療センター関係者が参加しました。
 
サンボアンガ市では,多くの人々が医療サービスへのアクセスのない農村地域に住んでいます。病院までの道のりが遠く,かつ,医療費を払う経済的余裕の家庭では,病気にかかっても適切な処置を受けずに重症化してしまう状況がみられました。また,2013年におきた比政府軍と反政府組織の武力衝突では約15,000人の避難民を出しました。病院に通えない人々への治療や診察の必要がありつつも,同市に経済的余裕がなく,適切な医療環境を整備できていないことが課題となっていました。
 
本問題の解決に取り組むために,本事業では,J-BIRD(注)の一環として92,857米ドル(およそ1,000万円)を供与し,移動診療車1台を整備しました。本事業を通じて,13 村約1,900名の住人及び, 今なお避難生活を続けている住民に対して必要な医療サービスを提供することができます。
 
草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり,我が国はフィリピンのトップドナーとして,1989年から現在に至るまでの間に,計543件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり,本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
 
注)我が国は、2006年よりミンダナオ和平支援案件をJ-BIRD (Japan-Bangsamoro Initiative for Reconstruction and Development)と総称し、紛争影響地域に対する草の根・人間の安全保障無償資金協力など経済協力プロジェクトを集中的に実施しており、その総額はこれまで2億ドル以上になります。2015年6月には、アキノ前大統領の国賓訪日の際の日比首脳会談において、安倍総理大臣は、ミンダナオの永続的な和平について、フィリピンの取組への支持を表明するとともに、我が国は新自治政府設立を念頭にJ-BIRDIIの支援を進める旨述べました。J-BIRDIIとは、バンサモロ地域の経済的自立の確保に一層焦点を当ててJ-BIRDを新たなフェーズで進めるものです。