草の根・人間の安全保障無償資金協力「サンボアンガ市ビタリ地区ティクタプル小学校における教室整備計画」引渡式

平成31年4月26日

4月24 日,ミンダナオ島ザンボアンガ・デル・スール州サンボアンガ市において,草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「サンボアンガ市ビタリ地区ティクタプル小学校における教室整備計画」の引渡式が開催され,当館より伊従経済公使,小林二等書記官, ダバオ総領事館より三輪総領事が出席しました。同式典には,教育省サンボアンガ市事務所所長フェリックス・ロミー・トリアブロ,被供与団体であるフィラム財団会長マキシミラン・ベントゥラ,ティクタプル小学校教師及び児童が出席しました。
 
 
サンボアンガ市ティクタプル村は,市内でも最も郊外に位置する村の一つであり貧困率も高く,学校を含めた社会インフラ整備に遅れがみられる地域です。ティクタプル小学校では,入学者が増加しているにも関わらず,建物の老朽化により深刻な教室不足に直面していました。机・椅子も不足しており,床に着座せざるを得ない児童も見られました。
 
本問題の解決に取り組むために,本事業では,J-BIRD(注)の一環として48,556米ドル(およそ540万円)を供与し,新たに4教室及び机・椅子などの教室設備を整備しました。本事業を通じて,およそ700人の児童に対して安全で適切な教育環境を提供することができます。
 
草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり,我が国はフィリピンのトップドナーとして,1989年から現在に至るまでの間に,計543件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり,本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
 
注)我が国は、2006年よりミンダナオ和平支援案件をJ-BIRD (Japan-Bangsamoro Initiative for Reconstruction and Development)と総称し、紛争影響地域に対する草の根・人間の安全保障無償資金協力など経済協力プロジェクトを集中的に実施しており、その総額はこれまで2億ドル以上になります。2015年6月には、アキノ前大統領の国賓訪日の際の日比首脳会談において、安倍総理大臣は、ミンダナオの永続的な和平について、フィリピンの取組への支持を表明するとともに、我が国は新自治政府設立を念頭にJ-BIRDIIの支援を進める旨述べました。J-BIRDIIとは、バンサモロ地域の経済的自立の確保に一層焦点を当ててJ-BIRDを新たなフェーズで進めるものです。