令和元年 春の外国人叙勲

令和元年5月21日
    5月21日,日本政府は,令和元年春の外国人叙勲の受章者を発表しました。フィリピンにつきましては,デリア・ドミンゴ・アルバート氏(76歳)に旭日重光章が,マリア・エレナ・ラウレル・ロイナズ氏(70歳)に旭日双光章がそれぞれ授与されることになりました。

    デリア・ドミンゴ・アルバート氏は,平成15~16年に外務大臣として日フィリピン経済連携(JPEPA)の交渉を積極的に進めました。アルバート氏のリーダーシップの下,交渉が進められ平成18年に締結されたJPEPAは,様々な分野において日本とフィリピンの経済関係の強化に貢献してきました。特に,一定の要件を満たすフィリピン人の看護師・介護福祉士候補者の入国・就労を認め,数多くの看護師・介護福祉士候補者の訪日を促しました。
   また,アルバート氏は平成16~17年,多国間協力・開発担当大統領顧問としてフィリピン鉱業への日本の投資促進へ貢献しました。投資企業誘致国として日本を重要視していたアルバート氏のリーダーシップの下,積極的な投資誘致が日本にて行われました。その結果,多くの日本企業がフィリピン鉱業へ投資を開始し,今日における日本企業のフィリピン鉱業界における高いプレゼンスにつながりました。
   さらに,アルバート氏は平成22年からフィリピン最大の会計事務所の一つであるSGVのシニア・アドバイザーを努め,様々な日本企業支援を行っています。
   このように日本・フィリピン間の経済関係強化に貢献したことが評価され,日本政府からデリア・ドミンゴ・アルバート氏に対し旭日重光章が授与されることとなりました。


   マリア・エレナ・ラウレル・ロイナズ氏は,フィリピン人女性・日本人女性等の有志により構成され,両国間の友好親善,協力関係の増進を目的とした活動を実施している比日婦人協会の会長を昨年まで13年間にわたり務めました。ラウレル・ロイナズ氏は,同協会をフィリピンの一般市民と在留邦人にとって更に魅力のある開放的な団体にするために,コーラス活動,料理教室,日本企業見学などの様々なイベントを行うことで会員以外にも参加者を広げ,同協会の活動の活性化に大きく貢献しました。
   また,ラウレル・ロイナズ氏は,比日友好財団の幹部としても長年貢献してきました。比日友好財団は,比日協会により設立された団体で,比日経済合同委員会,フィリピン元日本留学生連盟,比日婦人協会等の比日協会の関連団体に対して事務局業務支援、資金援助、施設提供および運用支援を実施しています。ラウレル・ロイナズ氏は比日婦人協会だけではなく,比日協会関連団体の全てに深く関わり,その活動を支え続けました。
   このように日本とフィリピンの相互理解の促進への寄与が評価され,日本政府からマリア・エレナ・ラウレル・ロイナズ氏に旭日双光章が授与されることになりました。
 
デリア・ドミンゴ・アルバート氏 マリア・エレナ・ラウレル・ロイナズ氏