UNDP 連携無償事業「バンサモロにおける有権者の意識向上及び選挙プロセスのデジタル化促進計画」交換公文の署名

令和6年8月1日

2024月8月1日、遠藤和也大使と国連開発計画(UNDP)フィリピン事務所セルバ・ラマチャンドラン常駐代表は、2024年度無償資金協力「バンサモロにおける有権者の意識向上及び選挙プロセスのデジタル化促進計画」の交換公文に署名しました。署名式には、選挙管理委員会(COMELEC)のフランセス・キャロリン・アギンダダオ=アラベ課長、フィリピン外務省のアントン・カヤコ課長補佐、和平・和解・統合担当大統領顧問室(OPAPRU)のカルロス・ドミンゴ・ゲバラ氏も出席しました。


 
バンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域(BARMM)は、2018年に承認されたバンサモロ基本法により設立されました。設立以来、同地域の平和と安定を目標として、社会経済的開発のための様々な取り組みがなされています。2025年に実施される初のバンサモロ議会選挙は、BARMMの平和と開発に向けたこれまでの取り組みの集大成となる、極めて重要な節目となります。
 
来年予定されている選挙が包摂的かつ透明性高く実施されるよう、日本政府は2億3400万円(約150万米ドル)の無償資金を拠出し、COMELECの選挙管理プロセスのデジタル化及び有権者教育の実施を支援します。事業の実施を担うUNDPは、1年半の事業期間中にCOMELECと連携しつつ、より多くの有権者が選挙に参加できるよう支援活動を展開します。具体的には、BARMMの住民、特に女性や遠隔地に住む社会的に弱い立場に置かれた人々に対し、自治政府の立法府であるバンサモロ議会の役割や、バンサモロ選挙規程の施行規則の概要等を伝える有権者教育を実施します。
 
加えて、より多くの有権者が選挙前の事前登録を行うよう促し、かつ正しい情報に基づいた投票に関する意思決定を行えるよう、COMELECに対してデジタル化支援を実施します。COMELECが正確な情報を効果的な方法で提供することは、選挙プロセスの透明性と、有権者の選挙に対する信頼を高めることにつながります。情報通信技術を利用した基盤を整備することで、バンサモロ自治政府が地域の人々によって正当に選出される、より包摂的かつ透明な選挙となるよう貢献します。
 
選挙期間中に数々の困難が生じうることを認識しつつ、遠藤大使はスピーチの中で、COMELECが本事業を最大限活用しつつ、来年の選挙だけでなく将来にわたって、民主的かつ透明な選挙が実施されるよう、強力なリーダーシップを発揮することを期待すると述べました。また、地域の開発を促進するための他の様々な取り組みと本事業の相乗効果により、「選挙後にはより希望に満ちた平和なBARMMになることを願う」と述べました。