JICA議員連盟によるODA事業(鉄道プロジェクト)の視察

令和7年8月29日

8月27日から29日にかけて、小渕優子衆議院議員を会長とするJICA議員連盟(日本の国際協力-特に青年海外協力隊の活動-を支援する国会議員の会) は、フィリピンへのJICA海外協力隊(JOCV)派遣60周年記念式典への参加と、同国における政府開発援助(ODA)事業の進捗状況視察のため、フィリピンを訪問しました。フィリピンは60年前からJOCVを受け入れ、これまでに延べ1700名以上の隊員が多岐に渡る分野で活動してきました。
 

8月28日、フィリピン訪問中の小渕優子衆議院議員を会長とするJICA議員連盟(日本の国際協力-特に青年海外協力隊の活動-を支援する国会議員の会) は、日本のODAにより実施されているマニラ首都圏地下鉄計画(MMSP)の工事の進捗状況を視察しました。(※本プロジェクトは、日本政府によるODAのJICA円借款・本邦技術活用案件(STEP)のスキームにより実施されています。)

議員団は、地下鉄トンネル掘削工事が進行中のケソン市の現場を視察し、マニラ首都圏における深刻な交通渋滞、大気汚染や気候変動緩和に大きく寄与し、市民の生活の質の向上につながる重要なプロジェクトの進捗状況を確認しました。
 

8月29日には軽量高架鉄道(LRT)の車両基地を視察するとともに、住友商事株式会社、JICAとの意見交換を行いました。昨年、住友商事株式会社、阪急電鉄株式会社、JICAは、フィリピンのマニラ首都圏を南北に結ぶ都市旅客鉄道Manila Light Rail Transit System Line1(以下:LRT1号線)の運営・保守事業に係る出資関連契約を締結しました。本事業はJICA及び阪急電鉄にとって初の海外での鉄道運営・保守事業への投資となります。鉄道の整備だけではなく、整備後の保守・運営への技術支援を行い、既存路線を安定的に運行することで、国民の輸送手段の確保、向上に寄与しています。このようにLRT1号線のさらなる利便性・安全性の向上に取り組むことで、マニラ首都圏の交通ネットワークの強化に貢献するとともに、交通渋滞の緩和による生活環境の改善と経済的損失の解消を実現することで、フィリピンの経済発展に寄与するプロジェクトとなっています。

議員団は今回の鉄道視察を通じ、価値観と戦略的利益を共有するフィリピンの国力の底上げにつながる協力プロジェクトの意義を確認しました。
 

日本は長年にわたりフィリピンに対する最大のODA供与国として支援を継続しており、引き続き、マニラ首都圏地下鉄やLRT1号線など、フィリピンの主要な鉄道プロジェクトを強力に支援して参ります。 2026年に日比国交正常化70周年を迎えるにあたり、これらの事業が両国の友好と協力関係を一層深化させる契機となることが期待されています。 

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