マギンダナオ州南ウピ市小学校への上水設備の引渡し式典
令和2年11月10日




11月9日、マギンダナオ州南ウピ市において、フィリピン共和国に対する無償資金協力「ミンダナオにおける和平の確立のための水道設備管理能力向上計画(ILO連携)」に関する上水施設の引渡し式典が行われ、当館より中田経済公使、岡田岳大書記官が出席したほか、ロメオ・K・セマ・バンサモロ暫定自治政府雇用労働大臣、レナルベルト南ウピ市長、カリド・ハッサン国際労働機関(ILO)フィリピン事務所代表らが出席しました。なお、本式典はコロナウイルス感染症拡大防止の観点から、一部オンラインでの開催となりました。
本事業は日本政府とILOとの連携により、ミンダナオ島バンサモロ地域において上水設備の建設や元兵士等に対する水道分野の職業訓練を行い、地域住民の安全な水へのアクセスの確保すること、及び元兵士等の生計向上を図ることによって、ミンダナオ地域の安定と発展に寄与するものです。
今回建設された上水設備は、マギンダナオ州南ウピ市にあるティマナン中央小学校に供与され、同地域の千人以上の子供たちと数百世帯が安全な水にアクセスすることができるようになります。また、紛争やコロナウイルス感染症等によって雇用を失った地域住民が、本上水設備の運用とメンテナンス職業訓練を受けたことで、地域住民による持続的な運用が可能となり、安定した雇用が確保されることとなりました。
本事業では、バンサモロ地域の全12カ所において同様の上水施設の建設、職業訓練を実施しており、同地域の約12,000世帯に安全な水へのアクセスを確保し、約1800人の雇用を創出することが期待されています。なお、コロナウイルス感染症拡大防止のため、建設作業場には十分な手洗い場が設置されており、労働者は感染症防止のための労働安全衛生プロトコルを遵守して作業を行うこととなっています。
日本とILOと長年の協力関係にあり、フィリピンにおいては災害対応、持続可能な生計支援、平和と安全、地域の経済発展などに関するプロジェクトを実施してきました。日本政府は引き続き、ILOとの協力の元、バンサモロ地域の平和と発展に貢献して参ります。