防衛省・陸上自衛隊による比陸軍に対する人道支援・災害救援能力構築支援
令和3年11月19日
11月15-19日、防衛省・陸上自衛隊は、タギッグ市の英雄墓地(Libingan ng mga Bayani)内のマンディリグタス(Mandirigtas)訓練場において、比陸軍への人道支援・災害救援(HA/DR)能力構築支援事業を実施しました。これは、10月にフィリピン陸軍へ人命救助機材を供与した以降、実動を伴う初の活動です。
日本政府は、2015年3月26日に締結した5億円の「日本製防災機器提供のためのノンプロジェクト無償資金協力」の一環として、フィリピン陸軍に対し10月に人命救助機材を供与しました。このパッケージには、災害時に倒壊した建物や車両からの被災者の捜索・救助に使用される電動油圧装置、カッター、スプレッダー、電動ポンプ、音響探査装置、発電機付き照明装置、津波やゲリラ豪雨等の状況下で使用されるボート、ライフジャケット、人命救助ベルトなどの機材が含まれます。これら機材の主な機能は、自衛隊の装備品と同様です。
陸上自衛隊は、比陸軍第525工兵戦闘大隊と5日間の活動のため、第43普通科連隊から訓練部隊を派遣し、災害対応時に機材を効率的に活用できるよう、人命救助機材の取り扱いに関する説明と展示を実施しました。一方、比陸軍の隊員は、様々な災害状況におけるHA/DR能力を示すため、HA/DR訓練展示を行いました。また、両国隊員は、災害対応能力の向上のため、過去の活動における経験や知識の共有を通じ、HA/DRに関する課題等に関し意見交換を行いました。
日本とフィリピンは、その気候、地理、地形などから、地震や台風などの自然災害の影響を受けやすい国です。日本は、比国に対するODAのトップドナーとして、より良い社会を実現するため、自然災害の脅威にさらされている比国のHA/DRへの取り組みを支援していきます。
自由で開かれたインド太平洋の実現に向け,日本はフィリピン及びその他パートナー国と共に地域及び地域を越えた平和及び安定のために緊密に協力していきます。
防衛省・自衛隊は、2013年の台風ヨランダの被害に際し,約1,180名の要員、艦艇3隻、航空機16機をフィリピンに派遣し、被害地地域において医療支援や救援物資の輸送を実施しました。
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