草の根・人間の安全保障無償資金協力 「タルラック州アナオ町における農業機材整備計画」引渡式

令和4年2月28日
 

 
 
2月28日、タルラック州アナオ町において、草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「タルラック州アナオ町における農業機材整備計画」の引渡式が開催され、当館より山田三等書記官が出席しました。同式典には、ラファエル・ナラル町長、町議会役員、及びその他アナオ町関係者が出席しました。
 
アナオ町はその住民の多くが農業に従事し、それを収入源としていますが、田畑の耕うん及びコメやトウモロコシの収穫作業が機械化されておらず、人力もしくは役畜(カラバオ)を用いて行っているのが現状です。人力による農地整備作業や収穫作業は農業機械を使う場合に比べて3倍以上の時間がかかる上、人力での収穫作業では作物の取りこぼしが発生しやすく、アナオ町住民は毎年収穫量の約5%弱に当たる量を損失していました。
 
本問題の解決のため、本事業では農業機材(トラクター1台、ディスクハロー1基、ロータリー1基、コメ収穫用キット付属穀物収穫機1台、とうもろこし収穫用キット1基及び穀物収穫機を運搬するトレーラー1台)の整備のために89,042米ドル(9,794,620円)注1をアナオ町に供与しました。本事業によって、同町の約260農家が機械による耕うん及び穀物収穫作業を行うことが可能になり、それによって農家の生産性及び収入の向上が見込まれます。
 
草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、我が国はフィリピンのトップドナーとして、1989年から現在に至るまでの間に、計549件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり、本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
 
注1)1ドル=110円(令和元年度レート)