令和3年度草の根・人間の安全保障無償資金協力合同贈与契約署名式

2022/3/4
3月3日、越川和彦駐フィリピン大使は、大使公邸において、今年度の草の根・人間の安全保障無償資金協力(注1)4案件について、各被供与団体との贈与契約書に署名しました。今回署名が行なわれた4案件の総額は393,881米ドル(約4,300万円)であり、救急車、医療機材、農作物運搬用冷蔵車の整備並びに診療所の建設に充てられます。
 
今回の草の根無償資金協力署名式は新型コロナウイルス感染拡大が開始して以降初めて実施されたものであり、越川大使は式典中のスピーチにおいて、式典が無事開催されたことについて大変喜ばしく思っている旨、また今回署名された4つの案件が地域社会の発展に大きく寄与することを願っている旨述べました。
 
1.『マニラ首都圏パラニャーケ市における救急車整備計画』
・被供与団体:パラニャーケ市
・資金供与額:54,976米ドル
・案件概要:パラニャーケ市に新規救急車を2台配備するものです。同市では年間約6,000件の救急車出動要請があるにもかかわらず、現在保有している救急車は6台のみであり、出動要請のうち約1割から2割については断らざるを得ないのが現状です。そのような状況である同市へ本事業で新規救急車を2台配備することにより、同市の緊急救命体制が強化され、住民(約71.5万人)の医療環境向上が期待されます。

2.『マニラ首都圏カローカン市グレースパーク診療所整備計画』
・被供与団体:カローカン市
・資金供与額:120,477米ドル
・案件概要:カローカン市に所在するグレースパーク診療所の建て替えを行うものです。同診療所は建設から65年が経過しているため老朽化が激しく、大雨が降ると水漏れや浸水が発生するなど、衛生面及び安全面において非常に厳しい状況に置かれています。今回同診療所の建て替えを行うことで、カロ―カン市に住む年間約9,600人の診療所利用者が、より質の高い医療サービスを受けられるようになることが期待されます。

3.『レイテ州パロ町における医療機器整備計画』
・被供与団体:パロ町
・資金供与額:128,197米ドル
・案件概要:レイテ州パロ町町立診療所に、レントゲン装置、超音波検査機、心電図計に加え、フィリピン保健省の定める中機能(レベル2)臨床検査施設に必要な最低限の医療機器を整備するものです。同診療所の検査能力を拡大することにより、パロ町及び周辺地域に住む年間約8,000人の診療所利用者がより幅広い診断サービスを受けることができるようになり、感染病、伝染病、癌などの早期発見による重症化の削減が期待されます。

4.『ラグナ州、リサール州、アンティーケ州における小農民のための農作物運搬車整備計画』
・被供与団体:アホン・サ・ヒラップ
・資金供与額:90,231米ドル
・案件概要:ラグナ州、リサール州、アンティーケ州の小規模農家に対し、農作物運搬用の冷蔵トラックを整備(各州へ1台、合計3台)するものです。一度に運搬可能な農作物の量を増やし、出荷過程での品質劣化を防ぐことにより、対象地域における約5,000名の農家の生計向上が期待されます。


※草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に計553件(上記4件を含む)の事業を実施しています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり、本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです