草の根・人間の安全保障無償資金協力 「マウンテンプロビンス州ナトニン町バナウェル村給水システム整備計画」引渡式

令和4年3月23日
 
 
 
 
3月23日、マウンテンプロビンス州ナトニン町において、草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「マウンテンプロビンス州ナトニン町バナウェル村給水システム整備計画」の引渡式が開催され、当館より山田三等書記官が出席しました。

ナトニン町バナウェル村の一部の集落は水源から非常に遠い場所に位置していることから、多くの住民は生活用水の確保のため毎日水源まで徒歩で往復しており、そのために1日3時間程度を費やしていました。また、乾季には最寄りの水源が枯渇してしまうために、住民は農業用水等の不衛生な水の利用を余儀なくされている状況でした。

本問題の解決のため、本事業ではバナウェル村の給水システムを整備することを目的に79,771米ドル(8,774,810円)注1をナトニン町に供与しました。本事業によって、同町の一部集落に住む約175世帯(約940人)が、1年を通して安全な水に容易にアクセスできるようになり、それによって住民の衛生環境及び生活環境の向上が見込まれます。また水の運搬に要する時間が削減されることによって、住民がより生産的な活動に時間を使うことが可能になり、将来的な社会基盤の改善及び貧困の削減が期待されます。

草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、我が国はフィリピンのトップドナーとして、1989年から現在に至るまでの間に、計553件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり、本事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。

注1)1ドル=110円(平成29年度支出官レート)