越川大使 新年のご挨拶

令和5年1月1日

越川大使 新年のご挨拶
令和5年1月1日
 
新年あけましておめでとうございます。
皆様方には、平素より当館の活動に格別のご支援・ご協力を賜り、感謝申し上げます。
 
皆様は、コロナ禍の下、長く厳しい行動制限の中で、感染の恐怖と闘いながら、大変ご不便な生活を強いられてこられたことと存じます。コロナ禍はいまだ終息してはいませんが、昨年春先より、その負の影響は確実に弱まってきております。減少傾向が続いていた在留邦人数、日系企業数なども、徐々に増加に転じました。
 
報道によれば、昨年7月以降フィリピンを訪問する日本人が毎月1万人を超えたとのことです。また、日本を訪問するフィリピン人も昨年10月には1万人を超えました。双方の水際措置の緩和によるものと考えられますが、2019年には日本人の来訪が68万人余、訪日フィリピン人の数が61万人余でしたので、両国民の交流はこれからが本番といえるでしょう。出来るだけ早くコロナ禍以前の活発な相互交流を復活させ、更にそれを上回れるよう、日本政府、大使館としても精いっぱい取り組んで参る所存です。
 
さて,昨年は6月末にドゥテルテ大統領からマルコス大統領へと政権のバトンが渡りました。昨年9月には両国首脳会談も実施され,岸田総理からは、マルコス政権における優先分野である農業、エネルギー、保健等の分野のほか、インフラ整備における協力を強化していくことを伝え、さらに両首脳は、安全保障面でも一層協力を強化し、両国の協力関係を更なる高みに引き上げることで一致しました。
 
経済分野においても、昨年11月には第13回目となる日・フィリピン経済協力インフラ合同委員会がマニラにおいて開催され、鉄道を含む三大都市圏におけるインフラ整備、海上保安能力向上及びミンダナオ和平プロセスなどフィリピン政府が取り組む主要な課題に関する協力案件を着実に進展させること、スービックやクラークを含む地方開発、情報通信、エネルギー移行、防災などの分野でも協力を推進していくことで一致しました。新政権においても、経済関係を一層進化させていきます。
 
このように,日本とフィリピンの関係は極めて良好に推移しており、更なる飛躍が期待されています。昨年、フィリピンの調査会社が行った世論調査では、約80%のフィリピン人が日本を信頼できる国だと答えています。過去の不幸な歴史にもかかわらず、これだけの好感が得られているのは、ひとえに長年にわたる皆様の社会的貢献、人的交流、経済的交流、文化的交流面での大きな貢献があったからこそと考えております。今年も引き続き、日本、フィリピン両国の皆さまと共に、更なる信頼関係と協力関係を築いてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
 
最後になりますが、大使館として、在外公館の第一の使命である在留邦人の皆様の安全対策に一層努力して参りますとともに、皆様へのより良い領事サービスに努めてまいりたいと思います。何か困ったことがありましたら、いつでもお気軽に大使館、総領事館に御相談下さい。
 
皆様のご健康とご発展を心よりお祈りして新年のご挨拶とさせていただきます。