北イロコス州におけるバリューチェーン構築支援

令和5年4月28日
 

4月28日、越川大使はJICAの中小企業・SDGsビジネス支援事業における黒ニンニクのバリューチェーンビジネス化実証事業実施合意の署名式を公邸で開催し、JICA、「(株)たから」及びマリアノ・マルコス国立大学との間で取り交わされた署名に立ち会いました。
 
 

越川大使はスピーチにおいて、本事業が北イロコス州の農家の生計向上に大きく貢献することを確信していると述べるとともに、本事業が現政権の優先分野の一つである農業問題の課題解決に貢献し、北イロコス州のニンニク生産がフィリピン国内で最も競争力を持つことになるよう期待すると述べました。

フィリピンはニンニクの国内需要を満たすことができず、輸入に大きく頼っており、それが農家の収入に影響を及ぼしています。このため、ニンニク農家は他の農作物の作付けに転換する等、国内のニンニク生産は減少し続けています。
 
 

北イロコス州は国内のニンニク生産の60%を占める一大産地です。2019年からはJICAは日本のニンニク生産技術の北イロコス州への適用可能性の調査を実施し、同年に「(株)たから」は、マリアノ・マルコス国立大学が黒ニンニク生産の商業化に向けた国内最初の機関となることに向けて、同大学に対して黒ニンニク加工機械を寄付しました。
 
 

適用可能性調査に引き続き、JICAはフィリピンにおける黒ニンニクのバリューチェーン構築に向けたビジネス化実証事業を開始し、「(株)たから」及びマリアノ・マルコス国立大学が事業を実施します。バタック市内の大学キャンパス内及び北イロコス州の他の3市に実証圃場が設けられ、そこで既存の黒ニンニク生産の更なる開発や改善及び市場開発等の様々な活動が実施されます。