令和5年春の外国人叙勲

令和5年4月29日
令和5年4月29日、日本政府は、令和5年春の外国人叙勲の受章者を発表しました。フィリピンにつきましては、次の4名の方が受章されました。
 
アルベルト・G・ロムロ氏  旭日大綬章
デルフィン・N・ロレンザーナ氏: 旭日重光章
ガマリエル・A・コルドバ氏: 旭日中綬章
シンシア・ネリ・ザヤス氏 旭日小綬章

アルベルト・G・ロムロ氏は、平成16年から平成23年にかけて外務大臣を務めました。両国の国交正常化50周年に当たり、同人は外務大臣として、今日の「戦略的パートナーシップ」の基礎となった「親密な隣国間の包括的協力パートナーシップ」と題した日比共同声明の策定に中核的な役割を果たしました。また同人は、「日・フィリピン経済連携協定」に関する日本側との交渉をリードするなど、日比間の経済関係を新たな高みに引き上げる多大な貢献を行ったほか、二国間で安全保障情勢を議論するための日フィリピン外務・防衛当局間協議(PM協議)の立ち上げを指揮しました。


デルフィン・N・ロレンザーナ氏は、平成28年から令和4年にかけて国防大臣を務めました。同氏の在任中、比米共同訓練への自衛隊の参加など、日比の防衛協力・交流は一層深化しました。また、令和2年には、国防省と三菱電機株式会社との間で同社製警戒管制レーダーを納入する契約が成立し、我が国から海外への完成装備品の移転としては初の案件となるなど、日比の防衛装備・技術協力が深化しました。同氏は国防大臣として強力なリーダーシップを発揮し、日比の防衛分野における関係強化に多大な貢献を行いました。


ガマリエル・A・コルドバ氏は、平成21年から令和4年にかけて国家電気通信委員長を務め、日比間の情報通信分野での協力の推進に多大な貢献を行いました。特に、同氏は、フィリピンにおける地上デジタルテレビ放送の方式決定に際して,日本方式を精力的に推進し,フィリピン政府の平成22年6月の地デジ日本方式の採用及び平成25年11月の日本方式採用の再表明に大きく貢献しました。その後も日本の官民と協力してフィリピンにおける円滑な日本方式地デジの開始・普及に貢献しました。


シンシア・ネリ・ザヤス・フィリピン大学教授は、フィリピンの主要な海洋人類学者であり、日本研究者です。同氏は国費留学生として日本で修士号及び博士号を取得した後、日本の人類学者と協力し、フィリピンにおける海洋人類学研究を行いました。また、日本における災害文化や海女に関する研究は国際的に認められ、日本社会に対する理解を世界に発信しています。日本の伝統芸能をフィリピンに紹介することにも尽力し、現在、同氏はフィリピン大学の教授として、日本の文化や社会に関する発信を続けています。