草の根・人間の安全保障無償資金協力 「マウンテンプロビンス州パラセリス町パリトット村における診療所整備計画」引渡式

令和5年6月27日
 
 
6月27日、マウンテンプロビンス州パラセリス町において、令和元年度草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「マウンテンプロビンス州パラセリス町パリトット村における診療所整備計画」の引渡式が開催され、当館より西村時子二等書記官が出席しました。同式典には、マルコス・アヤングワァ町長及び診療所関係者が出席しました。
 
 

パラセリス町では、出産施設を備えた診療所が一つしかなく、そこから遠く離れた村々に住む妊婦に適切な保健医療サービスを提供できていないことが喫緊の開発課題でした。出産施設が絶対的に不足しているため、最寄りの診療所に行くにも数時間かかるのに加えて、医療施設に行く交通費も工面できない家庭が多いため、自宅出産を選択する妊婦も多くいました。 
 
 

本問題の解決のため、本事業では80,927米ドル(約890万円)注1をパラセリス町に供与し、出産施設を備えた町立診療所を整備しました。本事業によって、パラセリス町のパリトット村、ブティゲ村、バンタイ村、アノナット村に住む年間約200人の妊婦を含む約1万2千人が、安全で適切な医療サービスを受けられるようになり、パラセリス町の医療環境が向上することが期待されます。

草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、我が国はフィリピンのトップドナーとして、1989年から現在に至るまでの間に、計557件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり、本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。

注1)1ドル=110円(令和元年度支出官レート)