閉会の辞
令和5年8月16日
本日、昨年に引き続きこの地において、慰霊祭を執り行うことができました。御多忙な中、遠方より多数の皆様の御参列を賜り、心から御礼申し上げます。
先の大戦では、ここフィリピンで日本人50万人、フィリピン人100万人を超える数多くの方々が尊い命を落とされました。今年は、ここカリラヤの地に戦没者の碑が建立されてから50周年を迎えます。毎回、この碑の前に立ちます度に、当時、祖国に残された家族の安寧、祖国日本の行く末を思いながら、熾烈な戦いに傷つき、飢えや病に苦しんだ方々、再び祖国の地を踏むことができなかった同胞の方々の無念さを改めて想わずにはいられません。また、同様に、日本と米比間の戦闘に巻き込まれ、犠牲となった数限りない無辜のフィリピン人の方々、日系人の方々、そしてその御家族の苦悩と計り知れない悲しみも、我々日本人は、決して忘れてはなりません。このような全ての戦没者の方々の御霊に対し、謹んで追悼の意を表します。
未(いま)だ帰還を果たされていない多くのご遺骨のことも、決して忘れません。一日も早くふるさとにお迎えできるよう、国の責務として全力を尽くしてまいります。
戦後、祖国日本は荒廃から立ち直り、世界の中で平和を重んじる国として、名誉ある地位を築きました。戦争の惨禍を二度と繰り返さないとの決然たる誓いを貫き、万人が心豊かに暮らせる世界の実現を目指して参りました。私達はそのために日々努力を重ねていくことを、戦没者の方々に改めてお誓い申し上げます。
他方、ロシアによるウクライナ侵略という国際秩序の根幹を揺るがす暴挙が継続しています。そのウクライナでは、幼い子どもをはじめとする多くの命が犠牲となり、人々の平穏な日常が奪われる事態が起こっています。我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく、複雑な状況にあります。
このような時であるからこそ、改めて、戦争の悲惨さと平和の尊さを深く心に刻み、その記憶を風化させることなく次の世代に継承していくことが私たちの責務であります。
現在、日比両国は、法の支配に基づく世界の平和と安定のため緊密に協力しております。このような友好協力関係を築けたことを、戦没者の御霊に御報告致します。
最後に、尊い命を捧げられ、祖国の礎となられた幾多の方々の御冥福を改めてお祈りするとともに、御遺族の皆様、参列者の皆様、在留邦人の皆様の平安、並びに日比両国間の一層の友好親善を祈念し、慰霊祭の閉会の辞といたします。
令和五年八月十五日
駐フィリピン日本国大使 越川 和彦
先の大戦では、ここフィリピンで日本人50万人、フィリピン人100万人を超える数多くの方々が尊い命を落とされました。今年は、ここカリラヤの地に戦没者の碑が建立されてから50周年を迎えます。毎回、この碑の前に立ちます度に、当時、祖国に残された家族の安寧、祖国日本の行く末を思いながら、熾烈な戦いに傷つき、飢えや病に苦しんだ方々、再び祖国の地を踏むことができなかった同胞の方々の無念さを改めて想わずにはいられません。また、同様に、日本と米比間の戦闘に巻き込まれ、犠牲となった数限りない無辜のフィリピン人の方々、日系人の方々、そしてその御家族の苦悩と計り知れない悲しみも、我々日本人は、決して忘れてはなりません。このような全ての戦没者の方々の御霊に対し、謹んで追悼の意を表します。
未(いま)だ帰還を果たされていない多くのご遺骨のことも、決して忘れません。一日も早くふるさとにお迎えできるよう、国の責務として全力を尽くしてまいります。
戦後、祖国日本は荒廃から立ち直り、世界の中で平和を重んじる国として、名誉ある地位を築きました。戦争の惨禍を二度と繰り返さないとの決然たる誓いを貫き、万人が心豊かに暮らせる世界の実現を目指して参りました。私達はそのために日々努力を重ねていくことを、戦没者の方々に改めてお誓い申し上げます。
他方、ロシアによるウクライナ侵略という国際秩序の根幹を揺るがす暴挙が継続しています。そのウクライナでは、幼い子どもをはじめとする多くの命が犠牲となり、人々の平穏な日常が奪われる事態が起こっています。我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく、複雑な状況にあります。
このような時であるからこそ、改めて、戦争の悲惨さと平和の尊さを深く心に刻み、その記憶を風化させることなく次の世代に継承していくことが私たちの責務であります。
現在、日比両国は、法の支配に基づく世界の平和と安定のため緊密に協力しております。このような友好協力関係を築けたことを、戦没者の御霊に御報告致します。
最後に、尊い命を捧げられ、祖国の礎となられた幾多の方々の御冥福を改めてお祈りするとともに、御遺族の皆様、参列者の皆様、在留邦人の皆様の平安、並びに日比両国間の一層の友好親善を祈念し、慰霊祭の閉会の辞といたします。
令和五年八月十五日
駐フィリピン日本国大使 越川 和彦