草の根・人間の安全保障無償資金協力 「レイテ州パロ町における医療機器整備計画」引渡式
令和5年11月16日




11月15日、レイテ州パロ町において、令和3年度草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「レイテ州パロ町における医療機器整備計画」の引渡式が開催され、当館より西村時子二等書記官が出席しました。同式典には、レメディオス・ペティリヤ町長、町役場職員及び町立診療所関係者が出席しました。
パロ町唯一の町立医療施設である同診療所は、尿検査や便検査、血液検査など最低限の臨床検査を行うための検査機器しか保有しておらず、住民に十分な診断サービスを提供できていない状況でした。町民がより高度な検査を外来で受けるためには、検査費用水準が町立診療所の2倍程度である私立医療施設を利用する必要があり、同診療所で医療サービスが完結しないことが、同町の患者にとって経済的な負担及び十分な医療へのアクセスの足かせとなっていました。
本問題の解決のため、本事業では128,197米ドル(約1,384万円)注1をパロ町に供与し、臨床検査医療機器8台を整備しました。本事業によって、パロ町及び周辺地域の住民約8,000人(年間予定受診人数)が、より幅広い診断サービスを私立医療施設に頼らず低価格で受けられるようになり、疾患の早期発見と重症化の削減が期待されます。

草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、我が国はフィリピンのトップドナーとして、1989年から現在に至るまでの間に、計557件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり、本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
注1)1ドル=108円(令和3年度支出官レート)