令和5年度前期草の根・人間の安全保障無償資金協力合同贈与契約署名式
令和5年12月6日
12月6日、越川和彦駐フィリピン大使は、今年度前期に承認された草の根・人間の安全保障無償資金協力*13案件、供与金額合計237,390米ドル(約3,252万円*2)について、各被供与団体との贈与契約書に署名しました。
越川大使は式典中のスピーチにおいて、同資金協力は小規模でありながらも地域社会の具体的なニーズへ対応することが可能な重要かつ有益なスキームであり、地域社会の発展に直接貢献できると期待している旨、また日本はフィリピンの戦略的かつ献身的なパートナーとして、持続可能で包括的な発展のために今後も協力していく考えである旨を述べました。
各案件の概要は以下の通りです。
1.「ボホール州バレンシア町アノヨン中等学校教室整備計画」
2. 「南カマリネス州シポコット町救急車整備計画」
3.「オロンガポ市携帯型胸部レントゲン装置整備計画」
*1 草の根・人間の安全保障無償資金協力「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に計560件(上記3件を含む)の事業を実施しています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり、本件実施は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
*2 1米ドル=137円(令和5年度支出官レート)
越川大使は式典中のスピーチにおいて、同資金協力は小規模でありながらも地域社会の具体的なニーズへ対応することが可能な重要かつ有益なスキームであり、地域社会の発展に直接貢献できると期待している旨、また日本はフィリピンの戦略的かつ献身的なパートナーとして、持続可能で包括的な発展のために今後も協力していく考えである旨を述べました。
各案件の概要は以下の通りです。
1.「ボホール州バレンシア町アノヨン中等学校教室整備計画」
- 被供与団体: バレンシア町
- 供与資金額: 94,607米ドル
- 案件概要:バレンシア町の中部地域には従来中等学校が無く、同地域に住む中等学生は他地域の学校へ通うために、山道を片道2時間かけて徒歩通学するか、交通費を支払ってバイクタクシーで通学する必要がありました。そのため、同町は同地域において新しくアノヨン中等学校の設立を進めていますが、同地域に住む中等学生全員を収容できる十分な数の教室を整備することが難しい状況にあります。本案件では、同中等学校に追加で1棟4教室及びトイレ5室を整備することにより、同町中部地域に住む中等学生全員が安全かつ衛生的に学習できる環境を整備し、同町の中等教育の質の向上を目指します。


2. 「南カマリネス州シポコット町救急車整備計画」
- 被供与団体: シポコット町
- 供与資金額: 55,027米ドル
- 案件概要: シポコット町の災害・緊急医療管理局が保有する既存の救急車は、出動件数や移動距離の関係で常時稼働中であるため、年間約200件の要請を断るか、同局が保有する普通車両で対応せざるを得ない状況です。また、既存車両には担架等の最低限の医療器具しか搭載されていないため、患者に対し適切な処置を施せず搬送中に亡くなってしまうケースもあります。本案件では、同町災害・緊急医療管理局に必要な医療器具が搭載された救急車1台を新たに整備することにより、同町の救急救命体制の強化を図ります。


3.「オロンガポ市携帯型胸部レントゲン装置整備計画」
- 被供与団体: フィリピン保健ソリューション変革センター
- 供与資金額: 87,756米ドル
- 案件概要: オロンガポ市では、2020年以降の新型コロナウイルスによる移動制限に伴い、結核検診数が激減し、治療と予防の両面において市の結核対策に支障をきたしています。特に同市の山間部に住む先住民族のアエタ族の人々は、経済的格差や交通の不便さから十分な医療サポートを受けられない状況にあります。本案件では、同市保健局に携帯型胸部レントゲン装置(富士フイルム株式会社製)を整備することにより、医療アクセスを困難とする先住民族のアエタ族を含む同市貧困層を対象に、地域巡回診療を含む包括的な結核医療サービスの向上と拡大を図ります。


*1 草の根・人間の安全保障無償資金協力「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に計560件(上記3件を含む)の事業を実施しています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり、本件実施は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
*2 1米ドル=137円(令和5年度支出官レート)