令和5年度後期草の根・人間の安全保障無償資金協力合同贈与契約署名式
令和6年2月8日



2月8日、越川和彦駐フィリピン大使は、北イロコス州バカラ多目的協同組合と、令和5年度草の根・人間の安全保障無償資金協力*1である「北イロコス州小規模農家のための農作物運搬用冷蔵車整備計画」の贈与契約書に署名しました(資金供与額:46,244米ドル)。本式典には北イロコス州よりマシュー・J・マルコス・マノトック州知事が出席しました。
北イロコス州の小規模農家の多くは収穫物を自力で市場まで運搬する手段を持たないため、仲介業者を通じて出荷せざるを得ません。仲介業者から請求される運搬料や仲介料は割高である上に、業者の多くは運搬時に適切な衛生・温度管理を行っていないため、流通過程での品質劣化や廃棄などによる損失が生じています。本案件では、協同組合に冷蔵車を整備することにより、小規模農家のフード・バリューチェーンへのアクセス改善を図り、もって同農家の販路拡大と収益力の向上を目指します。
越川大使は式典中のスピーチにおいて、本案件をきっかけにフィリピンの生産農家・消費者双方の利益が向上していくことへの期待、また日本がフィリピンの戦略的かつ献身的なパートナーとして、持続可能で包括的な発展のために今後も協力していく考えである旨を述べました。




*1 草の根・人間の安全保障無償資金協力「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に計562件(上記案件を含む)の事業を実施しています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり、本件実施は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
*2 1米ドル=137円(令和5年度支出官レート)