「バンサモロにおける食糧安全保障強化と生計向上支援」による機材等引き渡し式

令和6年2月22日
 

 

2024年2月21日、スルタン・クダラット州イスラン町及びバンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域(BARMM)特別行政区域*ピガワヤン町において、日本政府の拠出金により国連開発計画(UNDP)が実施中の「バンサモロにおける食糧安全保障強化と生計向上支援」による生計向上用機材の引き渡し式が開催されました。
*特別行政区域(Special Geographic Areas):2019年の住民投票の結果BARMMに帰属することとなったコタバト州の63バランガイ(フィリピンの最小行政単位)。
 
式典には、松田賢一公使、停戦監視委員会ブッチ・マランMILF側共同議長、キャンプ・トランスフォーメーション合同タスクフォース ダニロ・パモナグ共同議長、Doleレイナルド・ドリア副社長、UNDPフィリピン事務所エドウィン・カリー副代表が出席しました。

「バンサモロにおける食糧安全保障強化と生計向上支援」は、令和4年度補正予算による230万米ドルの拠出金によりUNDPが実施しています。世界情勢の変動による食糧供給不足と食糧価格の急騰の影響を受けた6コミュニティの約9,000人の住民に緊急食糧支援を行うほか、BARMM及びその周辺地域の16コミュニティで農業や漁業に従事する約24,000人を対象に、中期的な対策として生計向上支援を実施しています。昨今の国内外の社会政治的要因による課題を踏まえ、食糧安全保障を担保し、対象地域の平和構築と復興に貢献することを狙いとしています。
 
歴史的な土地争いや文化・宗教の違い、政治的不満等により何十年も続いた紛争が、BARMM及びその周辺地域の住民に大きな苦しみを与えてきたことを踏まえ、松田公使はスピーチの中で、「バンサモロ包括的和平合意から10年を迎え、来年には初のバンサモロ議会選挙を控える今、このプロジェクトが地域住民の生活の安定と、和平プロセスのさらなる加速化に役立つことを望む」と述べました。

日本政府は過去20年以上にわたり、ミンダナオ和平プロセスの進展に貢献してきました。これまでに、日本バンサモロ復興開発イニシアティブ(J-BIRD: Japan Bangsamoro Initiative for Reconstruction and Development)の下で、約5億1,500万米ドル、100以上のプロジェクトを実施しており、今後も和平プロセスのさらなる進展と、ミンダナオの開発支援を継続します。
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