遠藤大使によるバンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域（BARMM）訪問
令和6年6月20日
2024年6月18日～20日、遠藤和也大使はコタバト市を中心とするバンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域（BARMM）を着任後初めて訪問しました。
6月18日、遠藤大使は、バンサモロ議会のバンガリアン・バリンドン議長を表敬訪問し、同議長をはじめラナン・アリJr.副議長、ハティミル・ハッサン副議長、オマール・ヤッサー・セマ副議長、シャー・エライジャ・ドママ・アルバ院内総務、メアリー・アン・アルナド副院内総務らから歓待を受けました。遠藤大使はバリンドン議長をはじめとする議会関係者と、議員内閣制を導入したバンサモロ議会における民主主義の定着へ向けた取り組みの現状や、優先規程の審議状況について意見交換を行いました。
その後、遠藤大使はバンサモロ暫定自治政府のアホド・バラワグ・イブラヒム首相を表敬訪問し、バンサモロ包括和平合意署名10周年への祝意を表明するとともに、和平プロセスの成果と今後の課題について意見交換を行いました。遠藤大使は、地域における平和の定着のため、日本政府は引き続きミンダナオ和平支援に積極的に関与していくとの意思を伝えました。これに対しイブラヒム首相からは、日本政府の長年の支援に対する謝意とともに、今後の継続的な協力への期待が表明されました。
6月19日は、日本政府の資金により実施中の以下2件の政府開発援助の現場を訪問しました。
北マギンダナオ州パラン町において実施された「バンサモロにおける食糧安全保障強化と生計向上支援」による生計向上用機材の引渡式には、遠藤和也大使のほか、パラン町カハル・イバイ町長、UNDPフィリピン事務所セルバ・ラマチャンドラン常駐代表をはじめとする関係者が出席しました。
「バンサモロにおける食糧安全保障強化と生計向上支援」は、令和4年度補正予算による230万米ドルの拠出金によりUNDPが実施しています。食糧安全保障を担保し、対象地域の平和構築と復興に貢献することを狙いとして、バンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域（BARMM）及びその周辺地域の16コミュニティで約3,150世帯の住民に緊急食糧支援を行うほか、30以上のコミュニティで農業や漁業に従事する住民を対象に、中期的な対策として生計向上支援を実施しています。パラン町においては、海で採れた海産物の鮮度を保つのに必要な氷や冷蔵施設の不足により、漁民及び水産流通業者は海産物の品質管理と輸送に課題を抱えていました。このため、本支援事業において太陽光製氷機をパラン町役場に供与し、漁業による住民の収入向上と、周辺の複数の町を含めた地域の包摂的な経済発展の支援を図ります。
パラン町とその周辺地域に集住するイラヌン族の平和祭と同時期に開催された機材引渡し式において、遠藤大使は「これからも平和への道のりを継続的に築いていくために、パラン町及びBARMM全体が健全な経済成長と発展を遂げるための機会促進にともに励んでいきましょう」と出席者に呼びかけました。
2．「ミンダナオにおける持続的和平・治安維持メカニズム強化」プロジェクト現場視察
令和5年度補正予算により国際移住機関（IOM）が実施する、「ミンダナオにおける持続的和平・治安維持メカニズム強化」プロジェクトでは、ミンダナオ和平に関するフィリピン政府－モロ・イスラム解放戦線（MILF）間の合意事項の履行が完了するまでの移行期間に、フィリピン国軍、フィリピン国家警察、MILF軍事部門の要員が合同で地域の平和と治安を維持するために設立された合同和平治安チーム（JPST）の能力向上支援を行っています。
遠藤大使は、現在24カ所あるJPSTを総括する合同和平治安委員会（JPSC）を訪問し、同委員会のフランシスコ・アリエル・フェリシダリオ政府側共同議長からJPSTの活動に関する概要説明を受けた後、プロジェクトが支援中のガナシ駐屯地（北マギンダナオ州ウピ町）を訪問しました。ガナシ駐屯地は、日本政府が2019年にUNDPを通じて実施した「和平プロセスにおける正常化（MILF戦闘員の退役・武装解除）及び治安維持強化支援」プロジェクトで設立を支援した10カ所のJPST駐屯地の一つですが、近年の自然災害で雨漏り等の破損が生じています。本プロジェクトの下で、IOMはガナシ駐屯地を含む4カ所の建物の修復に加え、同駐屯地周辺のコミュニティ4カ所に対する生計向上支援を行います。また、JPST要員向けの再研修モジュールの作成と研修講師の育成、車両・バイク・通信機器等の機材供与も実施し、JPSTが展開する24カ所のコミュニティの平和と治安の安定の促進を目指します。
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6月18日、遠藤大使は、バンサモロ議会のバンガリアン・バリンドン議長を表敬訪問し、同議長をはじめラナン・アリJr.副議長、ハティミル・ハッサン副議長、オマール・ヤッサー・セマ副議長、シャー・エライジャ・ドママ・アルバ院内総務、メアリー・アン・アルナド副院内総務らから歓待を受けました。遠藤大使はバリンドン議長をはじめとする議会関係者と、議員内閣制を導入したバンサモロ議会における民主主義の定着へ向けた取り組みの現状や、優先規程の審議状況について意見交換を行いました。
その後、遠藤大使はバンサモロ暫定自治政府のアホド・バラワグ・イブラヒム首相を表敬訪問し、バンサモロ包括和平合意署名10周年への祝意を表明するとともに、和平プロセスの成果と今後の課題について意見交換を行いました。遠藤大使は、地域における平和の定着のため、日本政府は引き続きミンダナオ和平支援に積極的に関与していくとの意思を伝えました。これに対しイブラヒム首相からは、日本政府の長年の支援に対する謝意とともに、今後の継続的な協力への期待が表明されました。
6月19日は、日本政府の資金により実施中の以下2件の政府開発援助の現場を訪問しました。
1．「バンサモロにおける食糧安全保障強化と生計向上支援」による機材引渡式（於：北マギンダナオ州パラン町）
北マギンダナオ州パラン町において実施された「バンサモロにおける食糧安全保障強化と生計向上支援」による生計向上用機材の引渡式には、遠藤和也大使のほか、パラン町カハル・イバイ町長、UNDPフィリピン事務所セルバ・ラマチャンドラン常駐代表をはじめとする関係者が出席しました。
「バンサモロにおける食糧安全保障強化と生計向上支援」は、令和4年度補正予算による230万米ドルの拠出金によりUNDPが実施しています。食糧安全保障を担保し、対象地域の平和構築と復興に貢献することを狙いとして、バンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域（BARMM）及びその周辺地域の16コミュニティで約3,150世帯の住民に緊急食糧支援を行うほか、30以上のコミュニティで農業や漁業に従事する住民を対象に、中期的な対策として生計向上支援を実施しています。パラン町においては、海で採れた海産物の鮮度を保つのに必要な氷や冷蔵施設の不足により、漁民及び水産流通業者は海産物の品質管理と輸送に課題を抱えていました。このため、本支援事業において太陽光製氷機をパラン町役場に供与し、漁業による住民の収入向上と、周辺の複数の町を含めた地域の包摂的な経済発展の支援を図ります。
パラン町とその周辺地域に集住するイラヌン族の平和祭と同時期に開催された機材引渡し式において、遠藤大使は「これからも平和への道のりを継続的に築いていくために、パラン町及びBARMM全体が健全な経済成長と発展を遂げるための機会促進にともに励んでいきましょう」と出席者に呼びかけました。
2．「ミンダナオにおける持続的和平・治安維持メカニズム強化」プロジェクト現場視察
令和5年度補正予算により国際移住機関（IOM）が実施する、「ミンダナオにおける持続的和平・治安維持メカニズム強化」プロジェクトでは、ミンダナオ和平に関するフィリピン政府－モロ・イスラム解放戦線（MILF）間の合意事項の履行が完了するまでの移行期間に、フィリピン国軍、フィリピン国家警察、MILF軍事部門の要員が合同で地域の平和と治安を維持するために設立された合同和平治安チーム（JPST）の能力向上支援を行っています。
遠藤大使は、現在24カ所あるJPSTを総括する合同和平治安委員会（JPSC）を訪問し、同委員会のフランシスコ・アリエル・フェリシダリオ政府側共同議長からJPSTの活動に関する概要説明を受けた後、プロジェクトが支援中のガナシ駐屯地（北マギンダナオ州ウピ町）を訪問しました。ガナシ駐屯地は、日本政府が2019年にUNDPを通じて実施した「和平プロセスにおける正常化（MILF戦闘員の退役・武装解除）及び治安維持強化支援」プロジェクトで設立を支援した10カ所のJPST駐屯地の一つですが、近年の自然災害で雨漏り等の破損が生じています。本プロジェクトの下で、IOMはガナシ駐屯地を含む4カ所の建物の修復に加え、同駐屯地周辺のコミュニティ4カ所に対する生計向上支援を行います。また、JPST要員向けの再研修モジュールの作成と研修講師の育成、車両・バイク・通信機器等の機材供与も実施し、JPSTが展開する24カ所のコミュニティの平和と治安の安定の促進を目指します。
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