草の根・人間の安全保障無償資金協力 「バタンガス州ロザリオ町マバト村における浄水設備整備計画」引渡式
令和6年6月21日

6月20日、バタンガス州ロザリオ町マバト村において、令和4年度草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「バタンガス州ロザリオ町マバト村における浄水設備整備計画」の引渡式が開催され、当館より西村時子二等書記官が出席しました。同式典には、被供与団体であるゴールデン・ホイール・アワード財団のジョニー・タン理事長及び関係者のほかに、ロザリオ町レオビギルド町長とマバト小学校児童が出席しました。

マバト村の住民が生活用水として使用している深井戸の複数箇所及びマバト小学校敷地内にある井戸の水からは大腸菌等が多く検出されており、飲用水としての利用には適さないことが確認されていました。そのため、同校及び同校に通う児童・家族は、飲用水を業者から購入しなければならず、経済的な負担となっていました。中には、経済的な事情により水を購入できず、衛生的な飲用水を確保できない家庭も多くありました。
本事業では、マバト村にて慈善活動を行っている現地NGO「ゴールデン・ホイール・アワード財団」に対し105,380米ドル(約1,138万円)注1を供与し、マバト小学校敷地内に浄水機1台を整備しました。同機の導入により、同校児童及びその家族が井戸水を浄化して飲料水として利用することが可能となります。
本年は、日本がODAを開始してから70年の節目に当たります。「人間の安全保障」の理念に基づき1989年に開始された草の根・人間安全保障無償資金協力において、我が国はこれまでフィリピンのトップドナーとして計562件の事業を実施してきています。我が国はこうした草の根レベルの支援についても従来積極的に取り組んでおり、本事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
注1)1ドル=108円(令和4年度支出官レート)