草の根・人間の安全保障無償資金協力 「カマリネススル州ボンボン町農作物加工処理技術研修センター整備計画」引渡式
令和6年10月8日

10月8日、南カマリネス州ボンボン町において、令和4年度草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「カマリネススル州ボンボン町農作物加工処理技術研修センター整備計画」の引渡式が開催され、当館より西村時子二等書記官が出席しました。同式典には、被供与団体であるフィリピン・シェル財団よりセバスティアン・C・キニオネス・ジュニア会長、同財団関係者、及びレニー・ロブレド前副大統領が出席しました。
南カマリネス州の住民の多くは農業収入に生計を頼っていますが、農作物の加工処理技術を持っていないことから、低価格での販売を余儀なくされ、同州の農家の平均世帯年収は貧困ラインを大きく下回っていました。本案件では、同州農家の貧困削減を目指し生産環境の改善に取り組んでいるシェル財団に62,247米ドル(約672万円)注1を供与し、農作物加工処理技術研修センター及び研修用機材を新たに整備しました。これにより、農作物の高付加価値化及び農家の所得向上が期待されます。

本年は、日本がODAを開始してから70年の節目に当たります。フィリピンのトップドナーとして我が国は、「人間の安全保障」の理念に基づき1989年に開始された草の根・人間安全保障無償資金協力において、計562件の事業を実施してきています。我が国はこうした草の根レベルの支援についても従来積極的に取り組んでおり、本事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
注1)1ドル=108円(令和4年度支出官レート)