ASEAN+3緊急米備蓄の日フィリピン覚書署名

令和6年10月11日

10月11日、パラワン州プエルト・プリンセサ市において日本政府とフィリピン政府はASEAN+3緊急米備蓄(ASEAN Plus Three Emergency Rice Reserve:APTERR)の枠組みで、申告備蓄(Tier1)の覚書延長に関する署名を行い、当館から赤坂書記官が出席しました。署名式には日本側は農林水産省平野貿易業務課長が出席し、フィリピン側はラクソン国家食糧庁長官、またAPTERR事務局からチュームジェット事務局長が出席しました。
 

本覚書は、2024年10月までとなっていた期間を2027年まで延長し、放出可能な量を定めた上で、大規模災害等の緊急時の備蓄米放出に備えるものであり、地域の食料安全保障の強化に資するものであります。
 

APTERRの枠組みにおいて、日本とフィリピンだけがTier1の覚書を締結するなど、日本はフィリピンにおける重要な貢献国です。日本とフィリピンとの間の関係の重要性を反映し、日本はフィリピンが災害等に見舞われた際には常に手を差し伸べてきました。直近では、2022年に台風22号「ライ」(フィリピン名:オデット)、2023年にマヨン山噴火の被災地に日本拠出米を届けました。その他にも、SDGsに掲げる貧困緩和の一環として、教育機会の提供を行うため、我が国が新たに提案した「持ち帰り支援(School Distribution Programme)」など、学校給食に利用するための日本拠出米の配布を実施しております。

今回は署名のほか、関係者との意見交換、国家食糧庁が所有する倉庫の視察も行いました。各出席者からは覚書の延長により、日本拠出米が必要なときに速やかに届けられることが可能となり、一層の食料安全保障の強化、大規模災害時等の緊急時の備えにつながることが期待できる旨が述べられました。