女性・平和・安全保障(WPS)に関する国際会議2024:遠藤大使による日本政府のステートメント発表

令和6年10月29日

2024年10月28日、マニラで開催された「女性・平和・安全保障(WPS)に関する国際会議2024」において、遠藤和也大使が日本政府のステートメントを発表しました。

本国際会議は、WPSに関する国連安保理決議第1325号の採択から25周年を記念して、フィリピン政府が開催したものです。「WPSを前進させるための協力と収束」をテーマに、各国の政府関係者、市民団体、国際機関等の関係者がWPSアジェンダ履行の進捗状況を確認するとともに、平和構築のあらゆる段階における女性の参画とジェンダーに基づく暴力の防止、ジェンダーの視点に立った防災・災害対応及び気候変動に関する女性の参画とジェンダー主流化を促すことを目的としています。

ステートメントの中で遠藤大使は、「日本政府はジェンダー平等と女性のエンパワーメントを精力的に推進し、国際社会との協力を強化している」と述べました。また、フィリピンにおいて、日本政府が過去20年以上にわたり、ミンダナオ和平プロセスの進展について継続的に支援、協力してきたことに言及しつつ、WPS アジェンダの推進に資するため、バンサモロ地域で開始する2件のプロジェクトを紹介しました。今般開始するのは、独立行政法人国際協力機構(JICA)が政府開発援助(ODA)の一環として実施する技術協力「バンサモロ母子保健サービス・栄養改善プロジェクト」と、国連人口基金(UNFPA)との連携により実施する無償資金協力プロジェクト「バンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域(BARMM)における女性の保健に関するニーズへの対処及びジェンダーに基づく暴力への対応のための女性の保護及びエンパワーメント計画」です。両プロジェクトは、10月29日に開催される日本政府・JICA共催のサイドイベント「強靱なBARMMに向けた人間の安全保障~保健分野に焦点を当てた日本のWPS推進の取組」で正式に開始されます。
 
また、遠藤大使はステートメントの中で、日本はノルウェー王国と共にフォーカル・ポイント・ネットワークの共同議長として、2025年 2月4~6日に東京で首都会合を開催することを発表し、多くの関係者を東京にお迎えすることを楽しみにしていると述べました。そして、女性・平和・安全保障 (WPS)議会人ネット JAPAN 会長である上川陽子前外務大臣からの以下のメッセージを読み上げました。

●外務大臣在任期間中、WPS アジェンダを外交政策の主要な柱の一つと位置付け、3つの方針で取り組んできた。
●第1に、WPS を推進する体制整備に取り組んだ。外務省内に組織横断的なタスクフォースを立ち上げ、 関係省庁との連携を拡大し、市民社会や WPS 議会人ネット JAPAN との連携強化に取り組んだ。
●第2に、全ての外交政策にWPSの視点を盛り込み、150 回に及ぶバイやマルチの機会で WPS を取り上げ、国際連携を呼びかけてきた。本年7月にはマニラでマナロ外相やガルベス和平・和解・統合担当大統領顧問とも WPS 推進に向けて有意義な議論をした。
●第3に、WPSを次の次元に高めるための、国際的なネットワークの拡大を行った。「WPS+イノベーション」と題する政策フォーラムを立ち上げ、世界各国の外交官や国際協力の関係者、民間、地方議員、有識者等様々な関係者と意見を交わし、持続可能な平和と安定のために女性の参画とリーダーシップを生かす方策について議論してきた。
●これらの取組で得られた知見や示唆を踏まえ、引き続き WPS の推進に貢献していきたい。
遠藤大使はステートメントの最後に、「日本はWPS をさらに推進し、フィリピン政府を始めとする国際社会と連携し、WPS のための国際的な連帯 をより強固にすべくコミットする」と強調しました。
-end-