東ビサヤ地方自然災害地域への300トンの日本拠出米の引渡し

令和6年11月27日

11月27日、ASEAN+3緊急米備蓄(ASEAN Plus Three Emergency Rice Reserve:APTERR)の枠組みで、今年の深刻なエルニーニョ現象や10月の台風クリスティン等多くの大型台風被害を受けた東ビサヤ地方の被災地域に対し、日本が放出した300トンのコメが引き渡されました。引渡式はレイテ州パロ市で開催され当館から赤坂書記官が、またフィリピン政府からアンドラーダ国家食糧庁(NFA)副長官、ローズ・カヒペ社会福祉開発省(DSWD)災害管理担当次官、そしてAPTERR事務局からチュームジェット事務局長が出席しました。

フィリピン国家災害リスク削減管理委員会(NDRRMC)の10月時点のレポートによると、台風クリスティンにより、レイテ州を含む当該地方では合計約178,685家族(685,049人)が被災し、4,299家族(14,528人)が避難所で滞在しています。式典では被災者の方々が拠出米を受け取りに来られました。

APTERRは、加盟国の食糧安全保障の強化、貧困の緩和、栄養不足の解消を目的とした地域の枠組みであり、大規模自然災害等の緊急時に加盟国の備蓄米の放出により加盟国間で支援を行っております。
 

この枠組みにおいて、日本はフィリピンにおける重要な貢献国です。親密な二国間関係に鑑み、日本はフィリピンが災害等に見舞われた際には常に被災者に寄り添ってきました。直近では、2022年に台風22号「ライ」(フィリピン名:オデット)、2023年にマヨン山噴火の被災地に日本拠出米を届けました。その他にも、SDGsに掲げる貧困緩和の一環として、教育機会の提供を行うため、我が国が新たに提案した「持ち帰り支援(School Distribution Programme)」など、学校給食に利用するための日本拠出米の配布を実施しております。

式典において赤坂書記官は「今シーズンの度重なる自然災害で被災した地域の方々へ、日本の拠出米が迅速に届けられ、それによって被災者の方々の食生活が少しでも改善され、活力を取り戻す糧になることを期待している」と述べました。