令和6年度前期草の根・人間の安全保障無償資金協力合同贈与契約署名式
令和8年3月5日

3月4日、遠藤和也駐フィリピン大使は、今年度に承認された*1草の根・人間の安全保障無償資金協力2案件、供与金額合計318,098米ドル(約4700万円*2)について、各被供与団体との贈与契約書に署名しました。式典にはロジャー・D・ナバロ農業省次官、ジャッキリーン・カーンカン天然環境資源省次官補、ロザリー・サルバメ下院議員、パラワン州タイタイ町長が出席しました。

遠藤大使はスピーチの中で、日本とフィリピンが、相互に尊重しつつ共通の目標に向かい揺るぎない協力関係を構築してきたこと、また、同資金協力は小規模でありながらも、地域社会の具体的なニーズに対応することが可能であるため、持続的かつ包括的な発展を促進し、次世代に力を与えることができるスキームであることを述べました。

署名された各案件の概要は以下の通りです。
1. 「ボホール州ウバイ町ごみ収集車両整備計画 」
- 被供与団体:ボホール州ウバイ町
- 供与資金額: 243,055 米ドル
- 案件概要:同町の保有する3台のごみ収集車による廃棄物処理が町全体に対応しきれていないことから、不法投棄された廃棄物が河川に堆積し、洪水リスクの上昇や、不衛生な環境からデング熱の症例が増加していました。本案件では、ごみ収集車両2台を供与することにより、これまで対応できなかった地域でもごみ回収が可能となり、住民約8万人を擁する同町の衛生環境の改善が期待されます。

2. 「パラワン州タイタイ町少数民族漁業施設整備計画」
- 被供与団体: 南部少数民族統合開発プログラム
- 供与資金額: 75,043米ドル
- 案件概要:海藻採取を生業とするパラワン州タイタイ町の少数民族の漁民コミュニティは、収入源が漁業に限られるものの施設が整備されておらず、安定した生活を送ることが困難な状況にあります。本案件では、2階建て集会所(採取した海藻の集積に使用)の新規建設および海上に設置する作業所(海藻の分類・乾燥に使用)の拡充を行い、より効率的な海藻生産と収入向上を図ります。また、乾燥後の海藻を運搬するため、トライシクル2台と海上運搬用ボート4隻を供与することにより、生産者自らが市場での海藻販売が可能となり、経済的に脆弱な少数民族漁業世帯33戸(155人)の生計向上が期待されます。

*1 草の根・人間の安全保障無償資金協力は、「人間の安全保障」の理念に基づき、開発途上国における経済社会開発を目的とし、地域住民に直接裨益する、比較的小規模な事業のために必要な資金を供与するものです。フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に計569件(上記2件を含む)の事業を実施しています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり、本件実施は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
*2 1米ドル=150円(令和7年度支出官レート)