越川大使 新年のご挨拶

令和3年1月5日


新年あけましておめでとうございます。

 

昨年12月にドゥテルテ大統領に信任状を捧呈し、日本大使としての職務を開始いたしました。

フィリピンは、私にとり初めての勤務地ですが、これまで接してきた多くのフィリピンの方々を通じて、私は、フィリピンの人々は、家族の絆を大切にし、人情に厚く、外国人に対しても親しみやすい国民性を持っておられると強く感じておりました。フィリピンに赴任してからも、フィリピンの人たちの笑顔に大いに癒されております。

 

このようなフィリピンと日本の関係は、戦争という深い傷を負った歴史を克服し、今では、ドゥテルテ大統領が「兄弟よりも近い友人」と表現されるほど緊密かつ友好的なものになっております。フィリピンは、戦争で深い傷を負わせた日本を許し、日本は、官民挙げて長い年月をかけてその深い傷を癒し、かつ友好関係を育む努力をしてまいりました。新任の大使として、このような両国の先人たちの弛みない努力に深い敬意を表するとともに、日本、フィリピン両国の皆さまと共に、更なる信頼関係と協力関係を築いてまいりたいと考えております。

 

さて、フィリピン在留の皆さまにおかれましては、2020年は、新型コロナ感染症の拡大、タール火山の噴火や大型台風といった自然災害にも見舞われ、多くの困難を伴った年であったと拝察いたします。新年を迎えた現在も、新型コロナ対策のための入国規制やコミュニティ隔離措置が続いており、引き続き、大変な思いをされながらお過ごしのことと存じます。皆様のご負担が少しでも軽減されるよう、大使館として、引き続き全力を挙げたいと思います。是非、ご要望等をお寄せください。

 

日本とフィリピンの関係は、首脳、外務大臣間の電話会談等を通じて、また、外交、安全保障、経済、経済協力分野の継続的な進展により、一層緊密なものとなりました。一方、2019年にはフィリピン人の訪日件数が過去最高の61万人に達したものの、昨年は残念な結果になりました。しかし、当地に着任して、日本食やアニメなどポップ・カルチャーの人気は予想以上であり、日本への関心が益々高まっていると感じております。そのような興味関心を更に喚起すべく、11824日にオンラインで「Japan Fiesta 2021 New Year!」を開催する予定です。

 

本年は東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。昨今、日本国内では両国にゆかりをもつアスリートの活躍がめざましく、フィリピンに対する関心が高まり、両国の架け橋として注目を集めております。新型コロナ禍の厳しい状況ではありますが、このスポーツの祭典が成功裏に開催され、スポーツを通じて両国の友情が深まることを祈念しております。
 

最後になりますが、1月1日にセブ領事事務所がセブ総領事館になりました。皆様へのより良い領事サービスに努めてまいりたいと思います。本年は、国交正常化65周年にあたる年であり、また、両国間の戦略的パートナーシップ10周年を迎える年でもあります。皆様とともに、両国関係が益々発展するよう取り組んでまいりたいと存じます。

 

新型コロナ禍の最中ではありますが、皆様のご健康とご発展をお祈りして新年のご挨拶とさせていただきます。