越川大使 新年のご挨拶
令和4年1月4日

新年あけましておめでとうございます。
最初に、昨年12月の台風22号により被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。影響を受けました地域の皆様が一日も早く通常の生活に戻ることができるよう、大使館、総領事館ともに必要な支援を継続していきたいと思います。
フィリピン在住の皆様、昨年もコロナ禍の困難な状況の中、様々な御苦労に直面されたことと拝察いたします。日本国内はワクチン接種が進み、社会全般にやっと明るい光が差し込み、活気も戻りつつあるように思います。そして、ここフィリピンにおきましても、ワクチン接種が進展しており、状況が徐々に改善してきております。日本人学校でも対面授業が開始され、児童の顔にも笑顔が戻っていると拝聞しております。一方、オミクロン変異株の感染の波が大きくなることが懸念されます。しかし、ワクチン接種の進展や皆様のこれまでのコロナ対策の経験もあり、必ずや上手く乗り越えていけるものと確信しています。大使館、総領事館としましても、引き続き、コロナ禍や災害下での皆様の健康、そして安全、安心を最優先任務として、皆様の御理解を得つつ、共に考え、全力で行動していく所存です。
今年は、大統領選挙をはじめ、国や自治体レベルで大変重要な選挙が行われる、フィリピンにとって重要な年です。昨年は、日比国交正常化65周年、戦略的パートナーシップ10周年という、日比両国にとって節目となる記念すべき年でした。戦争という厳しい過去を克服し、フィリピンから「兄弟よりも近い友人」と称される現在の二国間関係を築きあげてくれた先人に心からの感謝と敬意を表します。現在に生きる私たちの使命は、この黄金時代を迎えた両国関係を一層深化させ、深い信頼関係を構築することではないかと考えます。
日々報じられているとおり、この地域や日本を取り巻く安全保障環境は、格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増しています。その中で、日本とフィリピンとの関係は、外交、経済面、そして安全保障面でも、双方にとり重要性が益々高まっております。
今年も、皆様の御理解と御支援を賜りながら、両国間の信頼関係が益々深まるように取り組んでいきたいと思います。何卒宜しくお願い申し上げます。
最後に、昨年10月、アストラゼネカ社の新型コロナワクチンをフィリピン政府に供与した際、ドゥテルテ大統領が述べられた次の言葉を紹介させていただきます。「日本は必要な時に助けてくれる兄弟よりも親しい友人です。」
令和4年が、皆様にとり素晴らしい一年となりますことを心より祈念して、新年の御挨拶とさせていただきます。