平成30年度草の根・人間の安全保障無償資金協力J-BIRD 案件(4件)合同贈与契約署名式


 
12月13日,羽田浩二駐フィリピン大使は,ミンダナオ島マギンダナオ州コタバト市において,今年度の J-BIRD 草の根・人間の安全保障無償資金協力4案件について,各被供与団体との間で,贈与契約に署名しました。署名式には,バンサモロ移行委員会のハロン・アバス委員及びスサナ・サルバドール・アナヤティン委員,和平プロセス担当大統領顧問室アービン・チュア課長,ダトゥ・ハジ・モド・ナザール・ビン・ハジ・マミ国際監視団長等が出席しました。 本事業は,ミンダナオの平和と開発に貢献し,両国間の戦略的パートナーシップの強化に資するものです。

今回署名が行なわれた4案件の総額は286, 680米ドル(約3,200万円)であり,学校教室,給水システム,職業訓練施設及び少年保護更生施設の整備に充てられます。


1.『コタバト市ダトゥ・アユナン小学校における教室整備計画』
・被供与団体:コタバト市
・資金供与額:67,984米ドル

コタバト市のダトゥ・アユナン小学校は,校舎の老朽化により,生徒へ適切な学習環境を提供できていないことが課題となっています。本件事業を通し,ダトゥ・アユナン小学校において,校舎の建設及び備品整備を行うことにより,同校の生徒100名以上に対し,安全で適切な学習環境が提供されます。
 
   

2.『南コタバト州タンパーカン町における職業訓練施設整備計画』
・被供与団体:タンパーカン町
・資金供与額:80,485米ドル

南コタバト州タンパーカン町は,中学や高校を卒業した後,技術訓練校に通える財政的余裕のある家庭が少ないことを背景に,高い失業率が課題となっています。本件事業を通し,タンパーカン町において,同町の失業者を対象とした職業訓練施設を建設することにより,同町の失業者約10, 000人に適切な環境での職業訓練が提供されます。
 
   

3.『コタバト州プレジデント・ロハス町における少年保護更生施設建設計画』
・被供与団体:プレジデント・ロハス町
・資金供与額:63,062米ドル

コタバト州プレジデント・ロハス町は,国内で最も非行少年の多い地方の一つとなっているものの,少年保護更生施設がないことが課題となっています。本件事業を通し,プレジデント・ロハス町において,非行少年に対する適切な少年保護更生環境を整備することにより,同町の非行少年の社会復帰に繋がることが期待されます。
 
   

4.『南コタバト州トゥピ町カブロン村給水システム整備計画』
・被供与団体:南コタバト州
・資金供与額:75,149米ドル

南コタバト州トゥピ町カブロン村では,水へのアクセスが悪く,近くの水場まで徒歩往復4~6時間かけ水汲みを行っており,また,不衛生な水による病気の蔓延が課題となっています。本件事業を通し,トゥピ町カブロン村において,給水システム1基を整備することより,同村の3集落合計308世帯(約1,000人)の水汲み時間が短縮されると共に,安全な水へアクセスできるようになることが期待されます。
 
   


※草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり,フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に,計538件の事業を実施しています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり,本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。

※我が国は,2006年よりミンダナオ和平支援案件をJ-BIRD (Japan-Bangsamoro Initiative for Reconstruction and Development)と総称し,元紛争地域に対する草の根・人間の安全保障無償資金協力など経済協力プロジェクトを集中的に実施しており,その総額はこれまで200億円以上になります。2015年6月,アキノ元大統領の国賓訪日の際の日比首脳会談において,安倍総理大臣は,ミンダナオの永続的な和平について,フィリピンの取組への支持を表明するとともに,我が国は新自治政府設立を念頭にJ-BIRDIIの支援を進める旨述べました。J-BIRDIIとは,バンサモロ地域の経済的自立の確保に一層焦点を当ててJ-BIRDを新たなフェーズで進めるものです。