草の根・人間の安全保障無償資金協力 「オーロラ州ディンガラン町における診療所改修及び医療機材整備計画」引渡式
令和4年3月7日




3月7日、オーロラ州ディンガラン町において、草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「オーロラ州ディンガラン町における診療所改修及び医療機材整備計画」の引渡式が開催され、当館より山田三等書記官が出席しました。同式典には、シャーウィン・タイ町長及び診療所関係者が出席しました。
ディンガラン診療所は同町唯一の町立医療施設であり、また同町は周辺都市への交通アクセスが非常に悪いことから、町民の約90%が同診療所を利用しています。しかしながら、同診療所には手術や出産のための適切な処置室が存在せず、検査機器や医療機材も十分に整っていなかったことから、適切な医療サービスが提供されているとは言えない状況でした。
本問題の解決のため、本事業では診療所の改修及び医療機材の整備のために109,567米ドル(12,271,504円)注1をディンガラン町に供与しました。本事業によって、同町における年間約5,000人の受診者(約650人の妊婦を含む)が、安全で適切な医療サービスを受けることが可能になり、それにより町民の医療環境向上が期待されます。
草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、我が国はフィリピンのトップドナーとして、1989年から現在に至るまでの間に、計553件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり、本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
注1)1ドル=112円(平成30年度支出官レート)