草の根・人間の安全保障無償資金協力 「東ミンドロ州ソコロ町ルテボロ・ナショナル中等学校における教室整備計画」引渡式

令和4年11月15日
 
 
11月14日、東ミンドロ州ソコロ町において、平成29年度草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「東ミンドロ州ソコロ町ルテボロ・ナショナル中等学校における教室整備計画」の引渡式が開催され、当館より官野千尋一等書記官が出席しました。同式典には、ソコロ町町長、町役場職員及び学校関係者が出席しました。
 
 
 
2016年にフィリピン全国で中等教育期間を4年から6年に延長する新たな教育制度(K to 12)が導入されて以来、ルテボロ・ナショナル中等学校では深刻な教室不足に陥っていました。同校における1教室あたりの平均生徒数は、教育省が定める40名を大きく超えた57名に達しており、授業時間を短縮しクラスを午前と午後に分ける2シフト制の導入、体育館における仮設教室の設置など、同校では一時的な対応がとられましたが、生徒に適切な学習環境が提供されているとは言えない状況でした。
 
本問題の解決のため、本事業ではルテボロ・ナショナル中等学校において2校舎9教室の建設及び備品整備を行うことを目的に、180,602米ドル(約2,000万円)注1をソコロ町に供与しました。本事業により、同校の11年生及び12年生が新教育制度に基づく専門科目の履修において適切な学習環境で学業に励むことができるようになります。なお同中等学校では本資金協力で新設したもの以外にも、ソコロ町と教育省の予算で不足していた残りの教室の整備も行われ、現在はすべての学年の生徒に安全で適切な学習環境が提供されています。
 
草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、我が国はフィリピンのトップドナーとして、1989年から現在に至るまでの間に、計553件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり、本事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
 
注1) 1ドル=110円(平成29年度支出官レート)