BARMMにおける肥料支援事業のプロジェクト完了ワークショップ
令和6年3月12日





2024年3月12日、立川淳平一等書記官はダバオ市において国連食糧農業機関(FAO)が主催するアフターアクションレビューワークショップに参加しました。このワークショップは日本が2億円を拠出して実施したBARMMにおける肥料支援事業である「ウクライナ危機の世界的影響下における肥料供給及び効率的管理を通じた持続的なコメ・トウモロコシ生産計画」のプロジェクト完了に際して開催されたものです。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻開始よりフィリピンを含む世界中で食料、肥料及び燃料価格が高騰し、ロシアは肥料の最大の輸出国であったことから世界的な肥料不足が発生しました。フィリピンはロシアから直接肥料は輸入していなかったものの、肥料の純輸入国であることから、この肥料不足に伴う価格高騰に大きな影響を受けました。これは特に、依然貧困率が高く、農業生産性が低く、農業投入費が上昇しているバンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域(BARMM)にとっては深刻でした。
本プロジェクトにより1月末時点で南ラナオ州、南マギンダナオ州、北マギンダナオ州等の4,474人の農家(うち稲作農家が1,203人、トウモロコシ農家3,571人)が受益者となり、肥料の効率的利用の観点から、肥料の支給だけではなく、土壌試験や土壌肥沃度管理の能力向上に向けた取組等も併せて行われました。

本ワークショップにはプロジェクトの主要な関係者が出席し、事業実施における知見等について議論されました。開会挨拶において立川書記官は本プロジェクトで得た教訓をそれぞれの圃場で適用し、環境への負荷を減らしながら収量を増やすという目的達成に向けた肥料の有効利用を促しました。
日本政府は今後もFAOや農業・漁業・農地改革省(BAFAR)や地方政府等と協力してBARMMの小規模農家に活力を与え、収量や収入増加に向けた支援を続けていきたいと考えます。