令和8年度前期草の根無償資金協力合同贈与契約署名式

令和8年10月28日

10月27日、北川克郎駐フィリピン大使は、今年度前期に承認された3件の草の根・人間の安全保障無償資金協力*12案件、供与金額合計 290,761 米ドル(約4300万円*1)について、各被供与団体との贈与契約書に署名しました。
 

 北川大使は被供与団体と意見交換を行い、日本とフィリピンが相互に尊重しつつ共通の目標に向かい揺るぎない協力関係を構築してきたこと、また、同資金協力は小規模でありながらも、地域社会の具体的なニーズに対応する持続的かつ包括的で次世代に力を与えることができる事業であると述べました。
 

署名された各案件の概要は以下の通りです。
 
1. 「 イザベラ州オーロラ町小型ごみ収集車整備計画」
  • 被供与団体: イザベラ州オーロラ町
  • 供与資金額:82,577 米ドル(12,303,973円) ※2
  • 案件概要:オーロラ町全体のごみ排出量は、人口増加に伴い1年当たり約53トンずつ増加し続けています。現在、町が保有するごみ収集車両3台では、車両不足のため町内33地区中で8自治体でしか回収が行われておらず、町全体のごみ排出量の約12%しか回収できていませんでした。本事業では、ごみ収集車両を新たに2台供与し計5台を運用することで、これまで遠隔地のため回収困難であったオーロラ町内の33全ての地区においてごみ回収が可能となり、平均ごみ年間回収率は約7.5倍向上します。これにより、住民約3.5万人を擁する同町の衛生環境が大幅に改善されます。
 
2. 「バタネス州ウユーガン町農業用温室整備計画」
  • 被供与団体: バタネス州ウユーガン町
  • 供与資金額:131,699米ドル(19,623,151円)※2
  • 案件概要:ウユーガン町における農業従事者は、サツマイモ、ウベ、ニンニク、タマネギ等を主要作物とする農業収入に生計を頼っていますが、降水量の多い雨季(7月~11月)には農業生産ができず、乾季(12月~6月)のみに収入源が限定されることから、低所得から抜け出せない困難な状況にあります。さらに、バタネス州ではナス、レタス、ハクサイ、メロン等の農作物の栽培が乾期に栽培期間が充分に取れないことから困難であり、現在はルソン島本土からの船舶輸送に頼らざるを得ず、輸送費の高騰により取引価格も高騰しています。本事業では、同町において、農業用温室2棟を新たに建設し、農業用機材を整備することにより、年間を通じた農産物の生産及び販売機会の確保を図り、もって農業従事者の生活を最低限の水準へ引き上げることに寄与します。

 
3.「レイテ州タクロバン市青少年支援施設送迎用車両及び車庫整備計画」
  • 被供与団体: ストリートライト財団
  • 供与資金額:76,485 米ドル(11,396, 265円)※2
  • 案件概要:ストリートライト財団は、レイテ州タクロバン市においてストリートチルドレンのための学習支援や医療支援を行っています。財団の施設では、2013年の台風ヨランダにより甚大な被害を受けた同地区の貧困層の児童・青少年に対し、学校教育を補完する読み書きや算数などの放課後学習の提供や、保健衛生(性教育や薬物対策や手洗い)、道徳教育、スポーツを通じた基礎体力獲得、防災や交通安全の講習、PC操作など社会的自立のために必要なライフスキル習得の機会を提供しています。本事業では、同施設に29人乗り送迎用車両1台及び屋根付き車庫1棟を整備することにより、児童・青少年の通所の安全性・利便性の向上を図り、もって貧困により学習・スキル習得機会が限られる児童・青少年に対する教育機会の確保に寄与します。

草の根無償資金協力は、「人間の安全保障」の理念に基づき、開発途上国における経済社会開発を目的とし、地域住民に直接裨益する、比較的小規模な事業のために必要な資金を供与するものです。フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に計571件(上記3件を含む)の事業を実施しています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来積極的に取り組んでおり、本件実施は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。詳細は以下の大使館ホームページ専用サイトをご覧ください。 https://www.ph.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000031.html

※1:1米ドル=61.40フィリピン・ペソ(令和8年8月27日付け実勢レート)
※2:1米ドル=149円(令和8年度支出官レート)